研究課題/領域番号 |
01626010
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
田中 美郷 帝京大学, 文学部, 教授 (70082013)
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研究分担者 |
大坪 明徳 国立特殊教育綜合研究所, 重複障害研究部, 部長 (70000271)
関 亨 慶応大学, 医学部小児科, 講師 (70051274)
加我 君孝 帝京大学, 医学部耳鼻咽喉科, 助教授 (80082238)
八島 祐子 福島県立医科大学, 精神神経科, 助教授 (10045619)
冨田 豊 鳥取大学, 医学部脳神経小児科, 講師 (00127523)
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キーワード | コミュニケーション障害児 / 鑑別診断 / 脳障害児 / 学習障害児 / 言語障害児 |
研究概要 |
医学的にコミュニケーション障害は疾病ではなく、状態像ないし症状である。状態像や症状は様々な要因によって生ずるが、その要因は生物学的要因、発達性要因など多岐にわたり、しかもこれらが複雑な、かつダイナミックに関係し合った状態を作り上げている。従ってコミュニケーション障害の鑑別診断はこれらの諸要因を明らかにし、ダイナミックなかかわりのメカニズムを解明することを目的とする。このような認識に立脚して、今年度は10名の研究分担者を得て、耳鼻科、神経内科、神経病理学、小児神経科、神経心理学、精神医学、障害児教育の分野から研究を進めてきた。 本年度の研究で特に注目されるのは、まず学習障害児といわれる子供の3例ににつつれてSPECTによって脳循環の状態が観察できたこと、およびコミュニケーション障害の耳鼻科的、精神医学的、小児神経学的、心理学的問題すべてを有する超未熟児出生の1例について詳細な検討を加え、鑑別診断についての具体的指針を得ることができたことである。鑑別診断には検査が必要であるが、同時に障害でなく障害を持った子供を診る、そして究極的には治療教育の手がかりを得るのが目的となる。このための検査法の一部として脳幹反応聴力検査法の検討、脳障害の神経心理学的解釈などについても新たな進展がみられた。ただ残念乍ら、医学領域以外特に心理学領域との交流が今までのところ全くないので、次年度は是非両者を関連づける方向での研究の展開が必要と考えている。
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