研究課題/領域番号 |
01626502
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
飯高 京子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40014716)
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研究分担者 |
菅野 敦 東京学芸大学大学, 教育学部, 助手 (10211187)
長崎 勤 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (80172518)
岸 学 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40143622)
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キーワード | コミュニケ-ション障害児 / ダウン症幼児 / 発達予測 / 特殊学級在籍児童 / 追跡調査 / 言語発達 / 意味機能 / 関係機能 |
研究概要 |
本研究の目的は、コミュニケ-ション障害児の言語能力を追跡的に調査し、発達予測のために必要な情報を得ることにある。具体的には(1)特殊学級在籍児童のコミュニケ-ション・言語能力の追跡調査結果と、(2)ダウン症幼児のコミュニケ-ション行動の発達経過について検討した。 (1)については、例年行なう言語能力調査の中から、(A)コミュニケ-ション基礎能力評定、(B)絵画語彙発達検査、(C)自由会話、(D)発話明瞭度、(F)聴覚的記銘力、(G)構文の理解と産出について3年間の調査資料がそろっている35名を対象とし、障害の種類と程度に応じて4群(情緒障害-高、情緒障害-低、精薄-高、精薄-低)に分類し、それぞれの群別に言語およびコミュニケ-ション基礎能力の発達経過を検討した。その結果、情緒低群はコミュニケ-ション能力の対人面での著しい遅れが目だち、指示理解、発話明瞭度などについても同様の傾向がみられた。その反面、情緒高群は、聴覚的記銘力、や構文理解と神文産出などでは優れていても自己統制に困難を示した。精薄群は着実な伸びを示すが、精薄低群では、抽象的な語彙理解の習得は制約が認められた。 (2)ダウン症幼児のコミュニケ-ション行動の発達については、母子相互間のやり取りを3時点(CA3:0-6:8,MA2:3-5:4)にわけ、それぞれの時点の母子の言動を意味機能と関係機能を用いて検討した。意味機能は東ら(1981)を参考に分類し、関係機能は語用論的な観点から適切性(両者間の発話や行動の文脈における適切性)、意図性(相手に働きかけようとする意図の有無)、効果性(相手に及ぼす効果の有無)を指標に分類した。これらの分類基準により、ダウン症児と母親のコミュニケ-ション行動の発達特徴がより明確化され、今後の指導にも役立つ可能性が示唆された。 以上の研究成果をふまえ、今後さらに検討を続行する予定である。
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