研究課題
本研究は、特殊教育諸学校小学部及び小学校特殊学級に在籍する心身障害児を対象に、主として教育指導の場において、彼らとのコミュニケ-ションがより効果的に成立するための環境条件について検討している。視覚障害児については、音声言語情報の伝達と受容の効率性という観点から検討しており、どのように指示すれば意図を正確に伝えられるかについて検討している。聴覚障害児については、通常学級への適応過程についてコミュニケ-ションの側面から検討している。また、聴覚障害児のためのテレビ番組における字幕の最適な挿入方法について検討を行っている。精神薄弱児については、まず母子の関係にいかに教師がかかわっていけばよいかということについて検討している。また、絵カ-ドや文字カ-ドを用いてコミュニケ-ションの発達を促す指導方法について検討している。さらに個別指示には応じることができるが全体指示には応じることのできない児童のための指導法についても検討を行っている。肢体不自由児については、授業におけるメッセ-ジの伝達方法について、主として教師の側に視点を置き、授業の分析を通して検討している。また、上肢の運動障害や構音障害のための意思の表出の困難な脳性まひ児のコミュニケ-ション行動が、コミュニケ-ション・エイドを活用することにより、どのように授業の場で質的に変化するかを検討している。情緒障害児については、自閉症児に教師がかかわる際の指示の出し方、及び質問の出し方について、どのように行うことが児童の応答を促進するのかという観点から、授業の観察を通して検討を行っている。重度・重複障害児については、重症心身障害児施設の事例について、コミュニケ-ション関係の形成を図るために、活動の場の吟味、伝達内容の吟味、伝達手段の吟味、という3つの観点から検討を行っている。
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