非定常噴流・噴霧燃焼においては、その混合気形成過程が燃焼に大きな影響を及ぼす。そこで、非定常気体噴流を用いてその混合気形成過程について実験的研究を行った。 実験は、静止大気中に気体を一定噴射圧力で約20ms噴射し、それにより生じる非定常気体噴流中の濃度および圧力の時間経過を求めた。測定値の処理に際しては、噴流中に生ずる乱流の影響を考慮してアンサンブル統計処理を行なった。アンサンブル統計処理に際しては、噴流と周囲気体との境界位置の変動をも考慮した条件付き統計処理と(通常の)無条件統計処理とを行なった。 この結果、噴流外縁では噴流と周囲気体との境界位置変動のため条件付き平均濃度は無条件平均濃度と比較して高くなることわかった。また衝突非定常気体噴流においては、噴流先端に向かうにつれ無条件平均濃度は滑らかに減少するが、条件付き平均濃度は先端付近で一旦増加してから減少する。濃度標準偏差に関しては、噴流先端部においては無条件濃度標準偏差と比較して条件付き標準偏差は極めて低い。このことは、噴流先端では、大規模渦による周囲気体の噴流内への取り込みが行なわれているが混合気塊と流入空気との乱流混合はほとんど行なわれていないことを意味する。また、無条件平均濃度は静圧がもっとも低い部分で高くなることなどがわかった。 非定常噴流においては、定非噴流と異なり噴流先端を有するが、この噴流先端の混合気形成は定常噴流とは異なる。この噴流先端では、大規模渦による周囲気体の噴流内への取り込みが行なわれているが混合気塊と流入空気との混合はほとんど行なわない。
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