研究課題
この研究では、超弦理論に基づいて重力を含むすべての素粒子の相互作用を統一的に記述することを目標としている。この目標に到達するためには10次元時空の理論である超弦理論からどのようにして我々の4次元時空が導かれるかを明らかにしておく必要がある。余分の6次元時空が見えない位に小さくなる現象(時空のコンパクト化)の可能性を調べるために、弦に対する場の理論等の理論的枠組みを構築する試みを行っている。またコンパクト化の無矛盾性を仮定したうえでコンフォ-マル場の方法や第一量子化された弦の理論を用いて、どの様な空間にコンパクト化すれば超対称性が成り立つかを調べている。今後、4次元時空における超対称性がいかにして破れるのかを明らかにしていくと同時に、さまざまのコンパクト空間がお互いにどのように関係しているかを調べる必要がある。そのためには弦の理論を2次元のコンフォ-マン場の理論と見なした時に、様々の摂動を加えてそれぞれの理論がどのように変形されるかを調べている。以上のような観点から、11月6日より11月10日迄の5日間にわたり、高エネルギ-物理学研究所において研究会を行った。全国の大学から百名を越える参加者があり活発な討論がなされた。なお、この研究会の報告はKEK REPORTとして出版した。
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