研究課題/領域番号 |
01632511
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
徳江 郁雄 新潟大学, 理学部, 助教授 (90101063)
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研究分担者 |
久米 博 新潟大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (60186476)
伊藤 良夫 新潟大学, 理学部, 教授 (00018251)
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キーワード | 四塩化炭素 / 電子衝突 / 発光断面積 / 放電プラズマ / 反応素過程 |
研究概要 |
プラズマエッチングのプロセスガスとして用いられているハロゲン化炭化水素放電プラズマ中におけるラジカルの生成過程を調べることを目的とした。 まず種々の塩化メタン類や三塩化ホウ素の電子衝突による発光スペクトルを観測した。励起スペクトルや発光寿命の測定から、電子励起状態のラジカルの生成過程を同定した。特に四塩化炭素(CCl_4)からのCCl(A)とCl_2(D')状態は、第1イオン化ポテンシャルより高い超励起状態を経由して生成することが他の実験結果との比較より分かった。他の試料ガスについても同様な結果が得られている。 次に、これらの結果を用いて、ホロ-カソ-ド放電とマイクロ波放電中の四塩化炭素/アルゴン混合気体からの発光を観測し、CCl(A)とCl_2(D')状態の生成過程を調べた。このとき、発光は放電部の上流から、放電部を積分する配置で観測した。300nmより長波長ではアルゴンからの発光が強いので、主に180-300nmでの発光を解析した。放電中のラジカルの温度を推測する1つの方法として、CCl(A-X)バンドを分解能をあげて測定しシュミレ-ションによりA状態の振動・回転分布を解析した。アルゴン圧2.5torrのホロ-カソ-ド放電では回転温度として350±50Kを得たが、これは回転緩和を多少受けていると思われる。またMW放電での低圧の限界付近(0.34torr)では600±50Kの回転温度が得られた。一方振動分布は振動緩和を受けていない分布比としてP(v'=1+2)/P(v'=0)=0.1を得た。これらの結果を他の研究と比較し、放電中ではCl(A)状態は電子と四塩化炭素分子との衝突で直接しているのではなく、一度生成したCC12,CC13等のラジカルと電子との二次的な衝突で生成していると結論された。
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