研究課題/領域番号 |
01634002
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤村 忠雄 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (90006130)
|
研究分担者 |
山戸 吉雄 東北大学, 科学計測研究所, 講師 (20006141)
鈴木 孝 東北大学, 理学部, 助教授 (30004344)
大貫 惇睦 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40118659)
沢田 安樹 東北大学, 理学部, 助教授 (90115577)
後藤 輝孝 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (60134053)
|
キーワード | アクチナイド化合物 / フェルミ面 / 重い電子 / ド・ハース・アルフェン効果 / 希釈冷凍機 / 希土類化合物 |
研究概要 |
アクチナイド化合物の5f電子は、局在性の強い希土類化合物の4f電子と、遍歴性を示す遷移金属化合物の3d電子の中間に位置している。その特異な物理的性質の解明は、物性基礎論のみならず、新しい磁性・超伝導材料の応用的開発の見地からも極めて重要となっている。価数揺動・高密度近藤状態など、伝導電子と4f電子との結合による多体電子状態は、Ce、Sm、Ybなどの希土類イオンを含む化合物の特異な磁性・超伝導の本質であり、国内外で精力的に研究されている。類似した異常磁性はウランを中心としたアクチナイド化合物の5f電子系においても見出され、その基本物性の解明は本重点領域研究「アクチナイド化合物の物性」の基本課題である。これらのf電子系に共通して見られる特徴は、極めて大きな有効質量をもつ重い電子の存在である。重い電子は、異常磁性を示すだけではなく、UP_<t3>などでは超伝導を示す場合もあり、酸化物高温超伝導体と本質的類似性がある。本研究班では、極低温(10mK)、強磁場(14.5T)下での超音波、帯磁率等の精密測定をおこない、アクチナイド化合物、希土類化合物の重い電子系のフェルミ面構造、有効質量の詳細な実験を目標にしている。極低温下でのdHVA効果の実験に必要である大型希釈冷凍機の独自開発は、本計画研究の中心課題であり、東北大学科学計測研究所附属工場で設計製作をおこなっている。科研に設置された第1号機は完成し、試運転が進められている。東北大理に設置される第2号機は設計が終了し製作が進められている。超伝導磁石は、納入後に重大な欠陥が見出され、修理をおこなっていたが、完了し次年度当初から予定の実験が始められる。勿論、既存の^3Heクライオスタットを用いた研究は精力的に進められ、UC、UB_<12>などのアクチナイド化合物でdHVA効果の観測に成功するなど少しずつではある成果が出ている。
|