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1989 年度 実績報告書

ビタミンA酸および関連化合物による分化誘導とその作用機作

研究課題

研究課題/領域番号 01636502
研究機関東京大学

研究代表者

首藤 紘一  東京大学, 薬学部, 教授 (50012612)

研究分担者 影近 弘之  東京大学, 薬学部, 助手 (20177348)
大和田 智彦  東京大学, 薬学部, 助手 (20177025)
遠藤 泰之  東京大学, 薬学部, 講師 (80126002)
キーワードビタミンA / レチノイド / レチノイン酸 / 有機ケイ素化合物 / 有機ゲルマニウム化合物 / レチノイドレセプタ-
研究概要

ビタミンAは食品の微量成分の中で最も重要なものである。ビタミンAの作用としては従来、専ら視覚に関する役割が強調されてきたが、その役割は視覚よりむしろ細胞の増殖と分化の調節にある。とくに、ビタミンA酸は生体でその生成が制御され、低温度で特異的作用を発揮する。本研究はこのビタミンA酸に代表されるレチノイドの作用機構と新しいレチノイドの創製に関するものである。
レチノイン酸のレセプタ-に関する研究:ヒト白血病細胞を用いてレチノイドに特異的に結合するタンパクの性質をしらべた。このタンパクは液体クロマト分析、ウエスタンブロット法などによりレチノイン酸レセプタ-遺伝子RARαおよびRARβでコ-ドされていることを明らかにした。すなわち、このタンパクこそが、レチノイン酸レセプタ-の実態である。
レセプタ・タンパクの分析法を確立するためニワトリ胚腸管のタンパク質を用いて検討をすすめ、この分画には少くとも三種のレチノイン酸特異的結合タンパクが存在することを明らかにした。この結果はビタミンAに関連する疾病の病態分析に有効に利用できるものと考えている。
新しいレチノイド活性物質の合成に関する試みは、従来の研究成果に基づく構造活性相関から硅素あるいはゲルマニウムを含む化合物を設計し、多数の化合物を合成し検定した結果、レチノ安息香酸のベンゼン環上にトリメチルシリル基あるいはトリメチルゲルミル基を1ないし2個置換した化合物に著しく強力なレチノイド活性を見いだした。この成果はビタミンAの新しいタイプの化合物としての意義に加え、医薬品の分子設計に対しての新しい考え方をも与えるものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 首藤他: "Retirobenzoic acids 3.レチノイド活性をもつ芳香族アミドの立体化学" J.Med.Chem.32. 2292-2296 (1989)

  • [文献書誌] 影近他: "Retirobenzoic acids 4.レチノイド活性をもつアゾベンゼンカルボン酸" J.Med.Chem.32. 1098-1108 (1989)

  • [文献書誌] 影近他: "ヒト前骨随球性白血病細胞中のレチノイン酸レセプタ-" Mol.Endoevinol. 3. 1046-1052 (1989)

  • [文献書誌] 橋本他: "レチノイン酸レセプタ-遺伝子の発現" Biochem.Bisphys.Res.Com.

  • [文献書誌] 橋本他: "発ガンプロモ-タ-の特量的結合タンパク" Biochem.Biophys.Res.Com.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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