研究課題/領域番号 |
01639511
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
上田 均 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 助手 (60201349)
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研究分担者 |
広瀬 進 国立遺伝学研究所, 遺伝情報研究センター, 助教授 (90022730)
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キーワード | ショウジョウバエ / 発生 / 塩基特異的DNA結合因子 / 転写調節 / fushi tarazu遺伝子 |
研究概要 |
1.ftzF1のアミノ酸配列の決定.ショウジョウバエ後期胚の核抽出液から、結合部位affinityカラムクロマトグラフィ-などによりほぼ精製したftzF1をさらに逆層カラムクロマトグラフィ-に供することにより純度を高めた標品を得た。これをトリプシンで完全消化後、各ペプチドを再び逆層カラムクロマトグラフィ-で分離し、各画分をペプチドシ-クエンサ-で解析したところ、その一つのペプチドにおいて、20個のアミノ酸配列が明らかになった。2.ftzF1遺伝子のクロ-ニング.協同研究者のWu博士らにより、ラベルしたftzF1結合部位DNAをプロ-ブとして、胚mRNAのλgtllcDNAライブラリ-からSouth-western法でftzF1cDNAである可能性のあるクロ-ンが得られた。このクロ-ンの塩基配列を一部決定したところ、ftzF1蛋白の決定した20個のアミノ酸配列と一致する配列が見いだされ、このクロ-ンが、ftzF1cDNAの一部であることが明かとなった。3.ftzF1遺伝子のgenomicクロ-ンの解析.得られたftzF1cDNAクロ-ンをプロ-ブにショウジョウバエのgenomicライブラリ-よりftzF1遺伝子をクロ-ン化した。得られたクロ-ンは一種類で、この遺伝子はハプロイドあたり1個存在すると推定され、この事はgenomic Southern法でも確認された。現在塩基配列の決定を行なっており、cDNAクロ-ンとの比較から、少なくとも二つのイントロンを有することが明らかとなった。4.Northen法によるmrNAの解析.ftzF1のcDNAクロ-ンをプロ-ブに、ショウジョウバエの初期胚と後期胚の全RNAへのNorthern blot hybridyzationを行なったところ、初期胚と後期胚で異なった長さのバンドが得られ、ftzF1の初期胚で後期胚での質的な違いの一つの原因として、スプライシングの違いがあることが予想された。
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