研究課題/領域番号 |
01639514
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
山口 政光 愛知県がんセンター, 研究所・生物学部, 研究員 (00182460)
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研究分担者 |
松影 昭夫 愛媛がんセンター, 生物学部, 部長 (90019571)
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キーワード | ショウジョウバエ / PCNA / ホメオドメインタンパク / プロモ-タ- / 発現調節 / DNA複製 / 形能形成 / CATアッセイ |
研究概要 |
(1)ショウジョウバエPCNA遺伝子の塩基配列の解析から5′上流域にホメオドメインタンパクの結合コンセンサス配列が存在していることを明らかにした。またプライマ-伸長法により転写開始点を決定した。プロモ-タ-領域にはTATAボックスやCAATポックスは存在せず、哺乳動物遺伝子に見られるGCボックスに類似の配列が存在している。 (2)大腸菌におい合成したショウジョウバエホメオドメインタンパクがin vitroで実際に上記の配列に結合することをフットプリント法を用いて明らかにした。 (3)PCNA遺伝子5′上流域をクロラムフェニコ-ル(CAT)遺伝子に連結し、ショウジョウバエ培養細胞kc細胞に導入すると、CATの強い発現がみられた。一方、ショウジョウバエホメオドメインタンパクのひとつであるzerknulltタンパク発現プラスミドを同時導入するとCAT発現の抑制がみられた。 (4)胚から成虫に至るまで、PCNAmRNAは存在しているが、特に初期胚で高く発現し、また、未受精卵にも高いことから、主に母性mRNAとして蓄えられていることを、ノ-ザン法により明らかにした。 以上本年度は主にPCNA遺伝子発現調節について種々の知見を得た。特に(1)〜(3)の知見は、形態形成をつかさどるホメオボックス遺伝子が、分化形質遺伝子のみならずPCNA遺伝子のようなDNA複製に関与する遺伝子の発現も制御している可能性を示し、分化と増殖の関係を考えるうえで示唆深い。
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