研究課題/領域番号 |
01641007
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田中 千賀子 神戸大学, 医学部, 教授 (20025571)
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研究分担者 |
尾形 悦郎 東京大学, 医学部, 教授 (70013761)
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
大沢 利昭 東京大学, 薬学部, 教授 (40012603)
野沢 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
竹縄 忠臣 東京都老人総合研, 部長 (40101315)
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キーワード | プロテインキナーゼC / シナプス伝達 / 細胞内情報伝達 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
ホルモンや神経伝達物質による生体情報の伝達の仕組みの中で、環状ヌクレオチド、カルシウム、ジアシルグリセロールなどのセカンドメッセンジャーの作用点である蛋白質燐酸化酵素の重要性は確立され、特にプロテインキナーゼCは主軸を成す細胞内情報系として注目されている。本研究はイノシトール燐脂質代謝を介した神経情報伝達の分子機構の解明のため、プロテインキナーゼCを介する細胞内情報伝達系に焦点をて、次の研究を行うことを目的とした。(1)プロテインキナーゼCサブタイプの局在と機能の解析、(2)プロテインキナーゼCのシナブス伝達における作用解析。 (1)についてはα、βI、βII、γそれぞれのサブタイプに対する特異抗体を用いて、ラット脳における光顕及び電顕レベルの局在解析を行った。各サブタイプはそれぞれ異なる特徴的な分布を示した。また発達期の脳における局在を調べたところ、各サブタイプはそれぞれ異なった時期に発現し、突起伸長に関与するものと、シナプス形成に関与する分子種が明らかになった。これらの各サブタイプの発現特異性はオリゴヌクレオチドを用いたin situ hybridization法によっても確認された。(2)については神経終末からの神経伝達物質のCa2+依存性の小胞性遊離にプロテインキナーゼCが関与し、特に、小脳プルキンエ細胞からのGABA遊離にはアラキドン酸で活性化されるγサブタイプが関与することが明らかになった。 以上の結果、プロテインキナーゼCサブタイプは神経細胞にそれぞれ異なった分布を示し、突起伸長、シナプス形成、神経伝達物質遊離、神経伝達の長期増強など種々の機能はこれらサブタイプにより分担されていることが示された。
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