研究課題/領域番号 |
01641523
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
二井 將光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50012646)
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研究分担者 |
森山 芳則 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10150658)
前田 正知 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (80190297)
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キーワード | H^+ / K^+ ATPase / ATP / 胃酸分泌 |
研究概要 |
胃壁細胞に存在するH^+/K^+ATPaseは、細胞外にH^+を輸送し、これと交換に細胞内にK^+を輸送している。このATPaseの活性は神経、ホルモンおよびヒスタミンにより調節されていることが知られているが、詳細な機構は不明である。胃酸としてのH^+の分泌、細胞内イオンの恒常性の両面から考え、本酵素の調節制御機構は重要である。本研究では、酵素タンパクに対する調節および遺伝子の発現の制御の両面から解析を行った。 主な成果を以下に要約する。1.ブタの胃壁細胞より本酵素を調製し、化学修飾の手法によって、Lys-497残基が活性中心の一部であることを示した。2.胃壁細胞の細胞質分画より本酵素を阻害する蛋白質を同定し、部分精製した。3.昨年度ブタ胃壁細胞より得たH^+/K^+ATPaseをコ-ドするcDNAを用い、CHO-K1細胞に於て発現するための予備実験を行った。4.ヒトの遺伝子ライブラリ-よりH^+/K^+ATPaseをコ-ドする遺伝子をクロ-ン化し、全塩基配列を決定した。H^+/K^+ATPaseの遺伝子のエクソン/イントロン配列は1個所をのぞきNa^+/K^+ATPaseと同じであった。5.H^+/K^+ATPase遺伝子のプロモ-タ-部位を、レポ-タ-遺伝子の上流にクロ-ン化し、発現の調節を解析した。その結果、H^+/K^+ATPaseの臓器特異的発現に関与すると考えられる配列が明らかとなった。その配列の中にはペプシノ-ゲン遺伝子の上流配列とよく似た配列が2個所存在した。 以上、本研究は所期の計画どおりに進行した。
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