研究課題/領域番号 |
01642502
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
細田 和雅 広島大学, 教育学部, 教授 (30032759)
|
研究分担者 |
水町 伊佐男 広島大学, 教育学部, 助教授 (50056199)
熊取谷 哲夫 広島大学, 教育学部, 助教授 (20161705)
カッケンブッシュ 寛子 広島大学, 教育学部, 教授 (10204439)
|
キーワード | 日本語音声教育 / 日本語学習者 / 韻律的意味の認知 / 韻律的意味の表出 / SD法 / 因子分析法 / クラスタ-分析 / 音声分析 |
研究概要 |
1.日本語の特徴的韻律の特性と文法的意味(例、疑問文の韻律、プロミネンスの位置と意味等)及び語用論的意味(例、韻律と感情的意味、韻律と丁寧さ等)との関係(以下「韻律的意味」)に関わる音韻変容の実態を調査するために、音韻変容の生起が予想される場面(a.中立的、b.疑問、c.プロミネンスの移動、d.喜び、悲しみ、驚きの感情、e.社会的地位の異なる人物への伝達)の発話(母語話者)を録音収録し、これを解析した。 2.これら韻律的意味を日本語を非母語とする英語話者がどの程度理解することができるかを、初級日本語学習者を対象として測定した。 3.この結果、評定者の性別及び韻律的意味の種類に対する評定には日本語話者のそれとは統計的に有意味な差は認められなかった。英語話者の評定値は慨ね日本語話者のそれよりも低く、特に英語話者の評定値が日本語話者のそれよりも有意に低かった9種類の文に見られる韻律的意味の認知は英語話者には困難であると言えた。 4.非母語話者に上記1を発話させ、その韻律を解析し、非母語話者の音韻変容の実態を調査した。 5.上記4の非母語話者の音韻変容に対して、母語話者の主観的評価反応をSD法により測定した。これにより非母語話者が持つ社会的意味を測定すると共に、その韻律的特徴を音声分析機器により解析した。 6.上記4・5の結果、同一クラスタ-に属する英語話者と日本語話者の発話は、ピッチパタンでも類似している可能性が示唆された。 7.以上のように、音韻変容の実態を心理的物理的に分析した結果、第二言語としての日本語の韻律の診断と指導プログラムの開発のために、SD法、因子分析法、クラスタ-分析法が利用できるのではないかと考えられる。
|