研究課題/領域番号 |
01644503
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 和雄 東北大学, 金研, 助教授 (30143027)
|
研究分担者 |
能登 宏七 岩手大学, 工学部, 教授 (40005898)
森田 博昭 東北大学, 金研, 助教授 (50005914)
|
キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 臨界電流密度 / 磁束ピンニング |
研究概要 |
本研究では、酸化物超伝導体の磁束ピンニングを解明するため 1.臨界電流を決定する基準を最初に検討すること 2.組織とHc_2、Jcの関係を検討すること 3.磁束ピンニング曲線、磁束ピン止め中心を検討すること を中心に置いて実験を行った。得られた成果は以下の通りである。 1.酸化物超伝導体は磁束クリ-プの問題が報告されており、臨界電流はその決定基準によって桁違いに変化するかも知れないと心配された。、しかし、電流・電圧特性から得られるV〓I^nのn値がn=6程度まで小さくなった場合、IμV/cmと0.1μV/cmのようにI桁感度を上げることで、Jc値は1.47倍であることを示した。 2.CVD法薄膜のHc_2は抵抗R=0で定義した場合であっても77KでHc_2【approximately equal】60Tが得られる。EPMAによる観察では、表面にCuO析出物が多数見られた。強くC軸配向した試料中にわずかにa軸配向した結晶粒が混在しているが、これとJcの相関はHc_2の異方性の度合と関係している。 3.TEMによる観察では、ab面内に200〜300Åのディスク状の析出物が多数見られた。ディスクの厚さは10〜20Åであった。この析出物の配置と密度から磁束ピン止め力Fpを評価してJcを算出すると77K、16Tで2×10^4A/cm^2程度のJc値が得られ実験値と同程度になることが分かった。
|