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1989 年度 実績報告書

イオンビ-ムエッチング法による酸化物超伝導薄膜マイクロブリッジの製作

研究課題

研究課題/領域番号 01644516
研究機関山梨大学

研究代表者

斉藤 幸典  山梨大学, 工学部, 助教授 (70005445)

キーワード酸化物高温超伝導薄膜 / ジョセフソン素子 / 直流スパッタリング / イオンビ-ムエッチング / マイクロブリッジ
研究概要

酸化物高温超伝導体をエレクトロニックスに応用しようとする場合、緻密で平滑な薄膜を作成することは、非常に重要な条件である。Y-系超伝導薄膜を作成する事は、様々な方法で試みられているが、従来金属系超伝導薄膜で用いられていた簡便な直流スパッタ法による試みは少ないように思える。その理由は膜の組成を、Y:Ba:Cu=1:2:3に合わせることが困難であることや、膜の堆積量分布に特異な現象、すなわち本来膜が厚く堆積してよいはずの基板位置に膜がほとんど堆積しないか、あるいは極端に薄くしか堆積しない現象が見られることなどによるものと思われる。我々はこの問題に対して、永久磁石を用いてタ-ゲットと基板の間に、タ-ゲットに平行に約300Gの磁界を印加するという極めて単純な解決策を見い出した。以下この磁界を横方向磁界と略記する。ここでは、横方向磁界を併用した直流スパッタ法で作成したY-系薄膜の臨界温度と基板温度の関係について報告する。
横方向磁界を印加しないでスパッタした時には、タ-ゲットの真上に相当する位置に置いた基板には、膜はほとんど成膜されないが、横方向磁界を印加した場合にはそのようなことはない。タ-ゲットの組成を種々調整してスパッタした結果、Y:Ba:Cu=1:2:12の場合に膜の組成が、Y:Ba:Cu=1:2:3に比較的近いものが得られた。
基板温度は、530-830℃まで変えて膜を作成した。その結果基板温度が高い程、膜の表面凹凸は激しく粗大な結晶粒からなる膜になり、臨界温度が必らずしも高くはならなかった。基板温度530℃で成膜し、その温度のまま酸素ガス中にさらす方法-すなわちas-depositで超伝導に転移する膜は得られたが、遷移温度幅は広くなる傾向があり、今後さらに膜の組成を化学量論的組成に近ずける方向で膜を成膜することが重要な条件であることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yukinori Saito: "Preparation of Y-Ba-Cu-O Films by dc Sputtering" Japanese Journal of Applied Physics.27. L1103-L1104 (1988)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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