研究課題/領域番号 |
01644525
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
太刀川 恭治 東海大学, 工学部, 教授 (40197372)
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研究分担者 |
石田 洋一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60013108)
白石 正 東海大学, 工学部, 教授 (40056122)
源馬 国恭 東海大学, 工学部, 助教授 (50056024)
河上 護 東海大学, 工学部, 教授 (40055653)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / ビスマス系酸化物超伝導体 / 合成プロセス / 拡散法 / 結晶配向性 |
研究概要 |
拡散法はさきに研究代表者らによりNb_3SnやV_3Ga等のA15型金属間化合物の線材化に用いられ、また最近、Y系酸化物超伝導体の生成にも適用された。Y系では、高融点のY_2BaCuO_5と低融点のBa_3Cu_5O_8を組合わせて拡散させると、91.5KのTcと約2000A/cm^2のJc(77K,OT)をもつ123高温超伝導体がえられた。今回同様の手法をBi系酸化物超伝導体に適用し、作製された試料の組織と超伝導特性について研究した。 高触点のSr基酸化物Sr_2CaCu_2O_5を下地とし、その上に低融点のBi系酸化物Bi_2CaCuO_5を被覆して種々の条件で拡散熱処理を行った。その結果、両者の間に組成のほぼ均一な厚い(約150μm)2212相を生成させることに成功した。この2212相は拡散方向に成長した緻密な柱状晶からなっており、表面からのX線回折によると強いa軸配向組織をもつことが明らかにされた。この試料のTcは78kで、また4.2kにおける磁化曲線から計算したJcは6×10^5A/cm^2であった。 ついで、Biの一部をPbで置換した(Bi_<0.8>Pb_<0.2>)_2CuO_xの低融点成分と、Sr_2Ca_2Cu_2O_6の高融点成分を用い、同様にして850〜860℃で熱処理を行うとPbがほぼ一様に添加された厚さ約150μmの拡散相が生成された。この拡散相は109kのTcを示し、またX線回折により2223相の生成が確認された。今後さらに、拡散対の組成や熱処理条件の拡散相の配向性や超伝導特性に与える影響について研究を進める予定である。このように、拡散法によって強い配向性をもったBi系高温超伝導体が容易に生成出来ることは、その素子応用や線材応用に対して大きいインパクトを与えると考えられる。
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