研究課題/領域番号 |
01651007
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西村 博明 大阪大学, 工学部, 助手 (60135754)
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研究分担者 |
谷口 一雄 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (50076832)
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キーワード | X線分光結晶 / 2次曲面弯曲結晶 / X線モノクロカメラ / X線バックライト法 / グラフォノエピタキシ / ダイシングウェハ |
研究概要 |
近年の多層膜X線光学素子製作技術の向上に伴い、数10〜数100Åの波長域での反射光学系の構成が可能となってきたが、物性研究、プラズマ診断などに有用な1〜10Åの波長域用の多層膜では高性能なX線光学系が得られていない。しかもこれらの波長域に適合した弯曲結晶の製作は古い技術レベルでしかなく良好な結晶が出来なかった。これらの観点からX線モノクロ画像系を構築する上で重要なエネルギー識別2次元X線光学用弯曲結晶の試作を行った。本年度は2つのアプローチで試作を行い、次のような成果を得た。 1)グラフォノエピタキシ法ー結晶成長用基板にあらかじめステップ状の周期的構造を設けることにより、結晶成長の初期クラスタがここに滞まり、結晶方位の揃ったポリクリスタルを形成することができる。この方法を我々の目的に適用すべく基板を製作した。周期を10μm、ステップの高さを0.2μmとし、ステップサイズを数通り用意した。結晶は立法晶系のアルカリハライド結晶を選び気相法による成長を試みた。現在良好な結晶を得るための条件出しを行い、X線回折特性を取得中である。 2)ダイシングウエハ法ー半導体工業用として供給されるSiウエハーにダイシング加工を施し、1セグメントが1mmのサイズから成るポリクリスタルとした。これを球面基板にパラフィンで固定し、弯曲ポリクリスタルを得た。本方式は光学的な検査法から結像系の評価および修正等を行える点で秀れている。この試作弯曲結晶を用い、レーザー生成点状X線により、X線画像評価を行った。この結果、結晶の継目による画像欠損を除いて12.5line pair/mmの分解能が得られていることが判った。この値は主として点光源のサイズにより規定されるものであった。現在、さらにダイシングピッチを細くした結晶を試作中である。
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