研究課題/領域番号 |
01653002
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
|
研究分担者 |
服部 俊夫 熊本大学, 医学部, 講師 (30172935)
佐川 公矯 久留米大学, 医学部, 助教授 (20140650)
|
キーワード | エイズ / 悪性リンパ腫 / 成人T細胞白血病 / 抗体 / 消化管 / 免疫不全 |
研究概要 |
本年度の主要な研究成果は以下の四点である。 1.我が国のエイズ患者における悪性リンパ腫発生の実態をあきらかにした。すなわれ我が国エイズ患者の5/23に悪性リンパ腫の発生を認め、これの細胞特性がa.B細胞といての特性をもつ;b.リンパ節外に発生する;C.EBウイルスが高頻度に証明される、などの諸点において欧米型のエイズ合併リンパ腫と同一の特性をもつことを示した。 2.エイズ患者においてはHIVキャリアーヤHIV陰性ヘモフィリア患者に系べてHTLVー1に対する感染率が高いことを示した。このことからHTLVー1感染がオーバーラップすることがキャリアにエイズ発症の引き金となりうることが推察された。 3.診断・治療に利用できる可能性のあるあらたな抗ウイルス抗体を開発した。 4.エイズ患者消化器病変の成立機序を調べる目的で患者消化管の免疫組織学的検索を行い、食道上皮下の特定の細胞(組織マクロファージ)がHIVに強く感染していること発見した。 上記のうち1、2項は我が国エイズ患者の基本的特性を示すデータであり、この先の研究へつながるものである。また3.に関しては今後のエイズ研究の基礎的素材として貢献することが期待されている。4はエイズ患者の主要な病変の一つである消化器病変成立の機序の研究の中で今後その意義ずけが深められなければならない。 このほか現在エイズのモデル実験系として重症複合免疫不全マウスへヒトリンパ球を移入する研究、ウイルス増殖動態を把握するための系を作る目的でtat、rev蛋白に対する抗体の作成などが進行している。
|