研究課題/領域番号 |
01654004
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
江口 吾朗 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80022581)
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研究分担者 |
佐藤 矩行 京都大学, 理学部, 助教授 (30025481)
藤沢 肇 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60079689)
大石 道夫 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (00126004)
竹市 雅俊 京都大学, 理学部, 教授 (00025454)
岡田 益吉 筑波大学, 生物科学系, 教授 (60015534)
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キーワード | 多細胞体制の形成 / 組織・器官の再生 / 形態形成因子 / 分化誘導因子 / 遺伝子発現制御 / 形態形成遺伝子 |
研究概要 |
重点領域研究「発生プログラム」は3か年の研究期間を予定して本年度に成立した。本研究の目的は、この重点領域研究の推進を総括することにある。『高次体制の形成・再生の制御とその因子』及び『分化の調節性と形態を誘導する因子』をそれぞれ課題とする2つの計画研究に加え、18課題の公募研究を以って本重点領域研究は組織された。計画研究の分担研究者及び公募研究代表者の相互の連携を図りつつ研究を推進した。成果の詳細は、『重点領域研究「発生プログラム」平成元年度研究成果報告書』としてとりまとめ、平成2年3月に刊行された。 O脊椎動物の組織細胞の分化形質発現を安定化し、組織の修復再生時の細胞の脱組織に直接関与すると考えられる細胞表面分子の存在が確認された。O細胞接着分子カドヘリンが組織や器官の構築過程に基本的な細胞選別現象に、不可欠な役割を演じていることが、生体系ではじめて実証された。O細胞の分化形質発現に必須な細胞種特異的遺伝子の発現制御にかかわる細胞内外諸因子の実体とその機能とを、具体的に探究するための基礎的知見が確率された。O脊椎動物の体軸決定因子の存在が実験的に示された。これらは、本研究の本年度における特筆すべき成果の一部である。これらの成果を含めて本重点領域研究全体として、既に60編を超える欧文原著論文が国際学術雑誌によって公表されている。 本研究組織にあっては、平成元年6月に、重点領域研究「発生プログラム」の成立の背景と目的とを広く公に問うための公開シンポジウムを、また、平成2年3月には、漸進な遺伝子操作技術の研究への積極的導入を図るためのワ-クショップを、それぞれ開催し大きな成功を収めた。また、3か年間という限られた期間内に具体的な成果と研究目的を達成するため、平成2年度では、本年度の成果を踏えた実現可能な共同研究の組織化と推進を、特に重要視した研究計画を立てて実施する。
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