研究課題/領域番号 |
01654501
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水野 重樹 東北大学, 農学部, 教授 (90112903)
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研究分担者 |
西森 克彦 東北大学, 農学部, 助教授 (10164609)
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キーワード | ニワトリ初期胚 / W染色体 / xhoIファミリ-反復DNA / 性判別(初期胚の) / cDNAライブラリ- / 2次元電気泳動 / 性分化 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
1.ニワトリ初期胚の性判別法の確立:始原生殖細胞が生殖隆起に到達する時期である72h胚を実験材料とした。胚体部は性判別後のRNA、タクパク質の抽出のために個別に連結保存した。個々の胚の胚体外血管域からDNAを迅速分離し、ニワトリのW染色体特異的XhoIファミリ-反復DNAクロ-ンをプロ-ブとするスロットブロットハイブリダイゼ-ション法により性判別を行うことができた。なお、プロ-ブの標識はジゴキシゲニン-11-dUTPを用いるランダムプライマ-法により、ハイブリッドの検出はアルカリホスファタ-ゼ結合抗体によった。 2.cDNAライブラリ-の作成とスクリ-ニング:雌と判定された40個体の72h胚からポリ(A)^+RNAを分離し、2本鎖cDNAを合成したのちλgt10cDNAライブラリ-を作成した。雌および雄の72h胚由来の^<32P>-cDNAプロ-ブを用いて、このライブラリ-をスクリ-ニングした結果、雌特異性を示すと思われる約30クロ-ンを取得することができた。今後、この様なスクリ-ニングを続け、出来るだけ多数のクロ-ンを得たのち個々のクロ-ンの性特異性の確認ならびに遺伝情報の解析へと研究を進める。 3.2次元電気泳動による初期胚のタンパク質の分析:雌または雄の72h胚各10個体の全タンパク質を2次元電気泳動で分離し、銀染色を行って比較した。その結果、分子量約53Kでや矢アルカリ性の等電点をもつ成分が雌個体でのみ検出された。今後はこの成分を分離して抗体を作製することを目標として実験を重ねる。 性分化の初期過程として生殖腺分化以前の性特異的遺伝子発現については多くの研究者が興味をもって探索を続けているが、まだ実体は明らかにされていない。本研究ではcDNAライブラリ-のスクリ-ニングをタンパク質の分析の両面からその一端を探り出そうと努力を続けている。
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