研究課題/領域番号 |
01656002
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
横山 茂之 東京大学, 理学部, 助教授 (00159229)
|
研究分担者 |
長谷川 典巳 宇宙科学研究所, 助教授 (60095023)
西川 一八 名古屋大学, 理学部, 助手 (60109262)
外村 辨一郎 京都大学, 農学部, 教授 (20026545)
大坪 栄一 東京大学, 応用微学物研究所, 教授 (10158800)
石倉 久之 自治医科大学, 医学部, 教授 (50048964)
|
キーワード | 遺伝暗号 / コドン / tRNA / アンチコドン / 転写後修飾 / アミノアシルtRNA合成酵素 / ナンセンス・サプレション / フレームシフト |
研究概要 |
横山は、大腸菌tRNA^<Ile>_2のアンチコドン1字目におけるCからLへの転写後修飾により、tRNAのアイデンティティーが、コドンAUGとメチオニンからコドンAUAとイソロイシンへと切り換えられていることを見いだしているが、本年度は、この重要な修飾を行なう酵素の認識部位を決定するために、tRNA変異体の遺伝子を大腸菌において発現させる系を作成し、認識部位の候補を発見した。また、高次構造の解析に適した熱安定なアミノアシルtRNA合成酵素の遺伝子を単離し、酵素の大量調製を行なった。石倉は、枯草菌tRNAのアンチコドン1字目に存在する修飾ヌクレオシドの化学構造を決定するために、LCーMSを用いる分析システムを確立した。西川は、RNAの分子整形技術を用いて、トルラ酵母チロシンtRNAのアイデンティティーにおいては、アンチコドンに加えてアクセプターステムの領域が必須であることを明らかにした。長谷川は、T7ファージRNAポリメラーゼによるtRNA遺伝子転写物を用いて、アスパラギン酸とヒスチジンのtRNAアイデンティティーにおいて、識別塩基が重要であることを明らかにした。外村は、リジルtRNA合成酵素がATPおよびリジンと結合する順序を決定した。宮澤は、極めて毒性の強い数種類に非天然型アミノ酸を蛋白質に組み込むことに成功し、大腸菌の系についても、UGAサプレッサーtRNAを検出し、セリルtRNAからフォスフォセリルtRNAへの変換を確認した。大坪は、トランスポゾンISIトランスポザーゼの発現にー1のフレームシフトが必須なことを見いだしているが、本年度は、シフト領域の下流に存在するパリンドローム構造の役割を明らかにし、シフトコドンの近傍ヌクレオチド配列の必要構造についても知見を得た。
|