研究課題/領域番号 |
01810001
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小島 哲也 信州大学, 教育学部, 助教授 (80153534)
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研究分担者 |
山本 誠 聖隷学園浜松衛生短期大学, 専任講師 (70210557)
山本 淳一 明星大学, 人文学部, 専任講師 (60202389)
岩立 志津夫 静岡大学, 教育学部, 助教授 (80137885)
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キーワード | 発達遅滞児 / 図形シンボル / 言語指導 / 会話エイド |
研究概要 |
本研究課題は、発語のない重度発達遅滞児のための図形シンボルによる言語指導プログラムの開発(目的1)と、補助伝達手段として利用可能な自然音声フィ-ドバック機能付き会話エイドの試作(目的2)を目的に、平成元年度より継続して行われてきた。最終年度にあたる今年度は、予定の症例研究と実験、および追加研究から以下の成果を得た。 目的1:精神遅滞児4名と自閉症児2名を対象に図形シンボル(NSL86188)システムを用いた言語訓練を行い、その学習過程を分析した。いずれの症例も習得語彙を組み合わせた語連鎖表現による叙述や要求の基礎的言語スキルを獲得した。その内の精神遅滞児2名については、会話ボ-ドと会話エイドを使った日常生活場面での伝達行動の内容と特性を分析した。現在、初年度以降の全症例の成果についての総合的検討と内外関連研究の文献レビュ-をもとに、図形シンボル用言語指導プログラム[試案]をまとめる作業を行っている。また、社会福祉施設における重度言語障害者の実態調査(山本1990)に引き続き、長野県内養護学校24校を対象に発語のない児童・生徒のコミュニケ-ションと言語指導の実態について予備的アンケ-ト調査を実施し、資料を補足した。 目的2:昨年度までに基本機能を完成させた試作機(VOCA-NSL1)にメモリ-ボ-ド2枚を追加し、併せて外装部分を仕上げた。その過程で充電用バッテリの仕様変更を主とした改良の必要が生じたため、予定していた操作性や信頼性の評価については現在進行中である。また、試作機と既存会話エイドの諸機能の比較検討を行うため、市販2機種について音声了解性と社会的受容に関する実験的分析を行い基礎デ-タを得た。 以上の研究成果の一部については既に主要な関連学会において口頭発表を済ませたが、残る成果については近々に学会誌等へ発表の予定である。
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