研究課題
試験研究
埋蔵文化財(遺跡)の発掘調査によって出土する遺物の量はおびただしい。従来、文字・数値情報により、これ等をコンピュ-タ管理してきた。しかし、遺物の実体を欠いたデ-タのため様々な不便、混乱はまぬがれない。遺物の画像を伴なったデ-タベ-スの構築が当研究の最大目的である。本年度は、その内、特に平城宮跡から出土する軒瓦を中心に画像デ-タ作成を試みた。平城宮出土の軒瓦については、既に文字、数値によるデ-タベ-スがシステム化しており、既存の汎用コンピュ-タで処理されている。一方この遺物については拓本が完備しており、台紙に貼り、キャビネットで管理、運用している。この拓本を画像入力し、汎用機のデ-タとリレ-ションをはかることにより、画像を伴なった遺物デ-タベ-スの実現を目指した。この目的のため下記の機器およびソフトウェアを購入した。1.ハ-ドウェア1.画像処理装置 入力した画像を複数件比較検討するための高解像デイスプレイとコントロ-ラ。2.光磁気ディスク装置 画像を大量、同時(1.5GB)アクセスするための、光ディスク装置3.エディタ 画像を加工・編集するための画像エディタ今年度中に入力した画像は瓦拓本約5,000件で、光ディスクに収録した。また、拓本を介せず、瓦実物を直接CCDカメラによって入力することも試みた。その結果、画像そのものは鮮明であり、研究資料に耐えるものであったが、反面、資料を入力装置のあるスタジオに運び込む必要があること。瓦当面を入力するための特殊装置を設計製作する必要があるなど課題を残した。