研究課題/領域番号 |
01840004
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新井 重昭 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (90013424)
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研究分担者 |
東條 栄喜 東京大学, 原子核研究所, 助手 (10092280)
森本 照久 東京大学, 原子核研究所, 助手 (20174451)
徳田 登 東京大学, 原子核研究所, 助手 (60134649)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 高周波四重極線型加速器 / 分割同軸型 / 加速空胴 / 高周波コンディショニング / ル-プ結合器 / マルチパクタリング / 放電限界 / ビ-ムの伝送効率 |
研究概要 |
加速空胴の低電力試験に於て、4つの加速電極間に発生する電場(四重極電場)の対称性とビ-ム軸上の発生する電場の強さが摂動法を使って測定された。高周波四重極線型加速器ではこの電場の対称性は非常に重要であるが、測定の結果は対称性のずれが±0.6%以内という良い結果を示した。更に、ビ-ム軸上の電場分布の測定結果の解析から、ほぼ設計通りの電場分布が実現されている事が分った。周波数調整用にはピストン型の同調器を採用したが、予期した通りの性能を示した。低電力試験の後、最高出力100kw、最高デュ-ティ-10%の高周波増幅器を使って高電力試験を行った。その結果、実効時間(運転時間×デュ-ティ-)で150分の高周波コンディショニングで、荷電質量数比1/(30)のイオンを加速する為に必要な電極間電圧110kVを達成した。高電力高周波を加速空胴に供給する為に高周波結合器としてル-プ結合器を使用し、設計通りに電源と空胴との間の整合を取ることができた。高周波コンディショニングを通じて、マルチパクタリングレベルや、放電限界の測定も行われた。現在までに、デュ-ティ-4%までの運転を実現した。ビ-ム加速試験の為のテストスタンドの組立て(真空配管、静電レンズ、ビ-ムモニタ-、エネルギ-分析系、収束磁石等を含む)と並行して、荷電質量数比が1/(28)であるチッソ分子イオン源の製作が行われ、2860MHzの小型ECRによって、1keV/uのビ-ムを安定に引き出すことに成功した。テストスタンドでは数多くの電源、真空ポンプ、モニタ-等を制御しなければならないが、それらの制御系を完成し、1991年1月22日、チッソ分子イオンを1keV/uから45.4keV/uまで加速する事に成功した。現在、加速器の性能を示す諸量(エネルギ-、スペクトル、ビ-ムの伝送効率等)の精密測定の準備を進めている。
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