研究課題/領域番号 |
01840006
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中川 康昭 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005944)
|
研究分担者 |
三浦 成人 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90005893)
星 彰 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (30005889)
木戸 義勇 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (10013541)
|
キーワード | 強磁場 / 準定常磁場 / 常伝導マグネット / クライオジェニック・マグネット / ロング・パルス・マグネット |
研究概要 |
本研究で試作したクライオジェニック・マグネットのコイル及びクライオスタットの組立、大電力電源及び液体窒素冷却システムの整備などはほぼ前年度に行われたので、今年度はそのマグネットのテストが主であった。テストは次の三段階に分けて行われた。 1.常温での通電テスト 常温ではコイルの抵抗が大きいので、定格電流23kAよりも遥かに小さい電流しか流すことができない。電流の変化速度を23kA/s、最大電流値を2.3kAに設定すると、0.1sで最大電流値に達するはずであるが、電流の過渡特性のためにかなりの遅れがみられた。そこでフラットトップの時間を2s程度とし、その間のコイルの温度上昇を調べた。その結果はコイルの設計デ-タに基づく計算値とよく一致した。 2.液体窒素による冷却テスト 容量9m^3の液体窒素貯槽とマグネットのクライオスタットを配管で直結してコイルを冷却した。急激な窒素の蒸発による圧力上昇を避けるため、常温から液体窒素温度まで約10分で冷却した。液体窒素の循環は通電中のコイルを冷却する場合にも十分に行えるよう設計されている。 3.液体窒素温度での通電テスト コイルの電気抵抗が常温の約1/8になったため、十分大きい電流を流すことができた。本来は液体窒素を循環させながら通電すべきであるが、安全性を考慮して、電通中は液体窒素の循環を止め、通電によって温度が上昇したコイルに再び液体窒素を循環させて冷却するという方法をとった。発生磁場と電流との関係など設計通りの結果が得られた。 本研究で試作したコイルを用いて物性測定を行うことには至らなかったが、本試験研究の主目的である準定常強磁場発生用クライオジェニック・マグネットの特性の研究はほぼ達成することができた。
|