研究分担者 |
日下部 敏明 日本イー, エム・シー株式会社, 技術部長
内山 康右 日本イー, エム・シー株式会社, 開発室長
柴崎 和夫 国学院大学, 文学部, 助教授 (00178899)
岩田 晃 名古屋大学, 空電研究所, 助手 (40023676)
近藤 豊 名古屋大学, 空電研究所, 助教授 (20110752)
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研究概要 |
成層圏の窒素酸化物はNO,NO_2,NO_3,N_2O_5,HNO_3,ClONO_2から成り、合計したものをNOyと称している。NOや、NOy濃度は成層圏オゾンの光化学にとって極めて重要な量である。本研究の目的はNOyとNOとを同時に気球で観測することのできる直接測定タイプの測定器を製作することである。NOy及びNO同時測定器はNOyをNOに変換するコンバ-タ-と、NOを測定するための化学蛍光法のNO検出器から成る。本年度は以下の方法で研究を実施した。まず、直径6mm、長さ30cmの金管から成る触媒を用いてコンバ-タ-本体の製作を行なった。また、金表面の温度を一定に保つための温度制御装置を製作した。この製作には日本イ-・エム・シ-(株)の助力があり温度を±1℃の精度でコントロ-ルすることができた。次にNOxコンバ-タ-とNO検出器を結合し、NOyーNO同時測定システムを組み上げた。NOyとNOの測定の切り換えのために空気圧で動作する大口径のバルブも新しく設計、製作した。NOyコンバ-タ-システムを、実験室内で詳しくテストをした。この結果、圧力が3mbまでの領域でNO_2のNOへの変換効率が100%近いことを見出した。また、数ppmVの濃度のオゾンを加えてもこのコンバ-タ-効率は変化しないことも判明した。このことにより基本的には気球観測で用いることができるNOy及びNO測定装置の主要部分の開発にほぼ成功したと言える。今後更に精度を上げるためのテストが必要である。特に、HNO_3の変換効率を測定することが残されている。
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