研究課題/領域番号 |
01840018
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
広瀬 千秋 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70016723)
|
研究分担者 |
増谷 浩二 日本電子(株), 研究開発部, 次長
清水 肇 工業技術院, 電子技術総合研究所, 室長
堂免 一成 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (10155624)
|
キーワード | 和周波発生(SFG)分光 / 界面SFG分光 / 振動SFG分光 / 非線形レ-ザ-分光 / 非線形振動分光 / 吸着分子の振動分光 |
研究概要 |
1)SFG装置:カンテル社製モ-ドロックNd:YAGレ-ザ-装置(YG501C-10)を購入し、LiNbO_3結晶を用いたパラメトリック発振装置を自作した。後者については、赤外光の波長掃引を行うためのコントロ-ラ等、周辺機器を整備して所期の目標を達成した。 2)超高真空装置:SFG分光を行うと同時に、試料表面の処理とキャラクタリゼ-ションを行うことができる装置を製作した。装置は2段のポ-トを有する。上段は光学測定を行うためのもの、下段は、各種電子分光(オ-ジェ分光、低速電子線回析)を行うためのものである。ベ-ス圧として10^<-11>torr台が達成された。 3)有機薄膜のSFG:石英基板上にアラキジン酸カドミウム塩を累積したLangmuir-Blodgett(LB)膜について測定を行った。末端メチル基のCH伸縮振動に基づくスペクトルが良好なS/N比で観測され、メチル基が基板面内で規則的に配向していることを初めて明らかにした。また、この配向は、主鎖メチレン基の伸縮振動せ励起することによって乱されることも明らかにし、その乱れを引き起こすための赤外光のエネルギ-値が約100μJ/pulseであることを見出した。 4)吸着分子のSFG:超高真空装置内で調製した酸化マグネシウム(MgO)単結晶に吸着したギ酸イオン(HCOO^+)のSFGスペクトルを観測し、本研究で開発した超高真空装置が所期の性能を達成していることを確認した。また、吸着状態のギ酸イオンでは、CH結合が表面と約30゚の傾き角を有すること、及び、昇温により水(H_2O)と一酸化炭素(CO)に解離することを明らかにした。 以上、本研究においては、界面和周波発生を用いた表面の振動分光を高感度で行うための分光装置と、それを適用するための超高真空装置を開発し、2〜3の測定を行って、従来未知の知見が得られることを示した。
|