研究概要 |
1攪拌装置付雰囲気制御炉の改良 前年度に作成した電気炉を用いて予備実験をいくつかおこなったところ、いくつか不備なところがあったので改良した。1つは試料坩堝の固定に関してで予備実験終了後不用意に坩堝を傾かせたため攪拌棒が抜けず、坩堝を酸で洗い元通りにするため多くの時間を要した。坩堝の羽根の部分を白金線で坩堝台に固定した。雰囲気の酸素分圧を測定するためのZr電極を作成したが強度に関する配慮が不十分で破損し、再度作成中である。 2融液の結晶作用に対する攪拌の効果に関する実験 伊豆大島の溶岩について石基の斜長石結晶密度(単位体積中の結晶数)を測定する手法を開発し、天然の溶岩でほぼ組成の同じものでも2桁近い石基斜長石密度の変動があることを明らかにした。1気圧での静的実験で斜長石結晶密度に対する初期溶融温度と冷却速度の効果を定量的に明らかにした。この今後、この手法により結晶密度に対する攪拌の効果を定量的に評価することが当面の課題である 3研究成果の公表 天然の岩石および静的環境下での結晶核生成の定量的検討結果については1990年8月Western Pacific Geophysics Meeting(Kanazawa)で口頭発表をおこない(EOS71,p.951),月刊地球1991年5月号に概要を印刷公表した。このほか、平成2年度中に関連したテ-マの研究結果は,火山学会(春・秋)、地質学会(富山)で口頭発表をおこなった。
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