研究課題/領域番号 |
01850001
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白木 靖寛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (00206286)
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研究分担者 |
片山 良史 光技術研究開発株式会社, つくば研究所, 研究開発部長
深津 晋 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (60199164)
魚住 清彦 青山学院大学, 理工学部, 教授
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キーワード | 走査型トンネル顕微鏡 / 結晶成長 / 半導体清浄表面 / 高速トンネル分光 / 慣性式移動方式 |
研究概要 |
本年度では、結晶成長装置に導入するための排気系を含むSTMユニット、高速トンネル分光の可能な制御系ならびに画像処理系の製作および動作特性の確認を行った。STMユニット系の設計は、小型化を前提とし、真空かつ比較的高温の環境で安定に動作できること、さらに温度ドリフトの効果を回避するために、高速走査できることに主眼を置いた。また、極限環境での連続使用に耐えるよう、構造および動作の単純化を目指した。 探針走査部分には、小型で共振周波数の高い直交微動方式を採用し、高速走査を確保するために、前段増幅器の帯域を数10kHzとし、探針周囲の電気的遮蔽を十分に行った。最も重要な部分である粗動機構として、世界で初めて、ずりモ-ド圧電素子を利用した慣性式移動方式を開発した。この方式では、印加する電圧パルスの大きさと極性に応じて動作を制御可能であり、約5nm〜800nmのステップ距離が再現性よく得られる。微動素子との連携動作により、探針を0.1mm程度の間隔からトンネル領域まで、約10秒で自動的に移動できる。対探針およびその直交方向に自由度をもたせることで、広領域の観察が可能になった。これにより、目標であった構造・動作の単純化が実現できた。実際に、探針に白金ないしはタングステン、試料にグラファイトを用いた原子像観察により、広域にわたって鮮明な規則格子を捉えることができた。 制御系には高速16ビット変換器を用い、コンピュ-タによって操作可能な形式とした。高速のトンネル分光の実験を現在遂行中であり、リアルタイムで原子位置との対応をつけながら分光をおこなえる準備が整っている。 以上のシステムを駆使して、超高真空のもとで半導体清浄表面の構造観察ならびに局所電子状態分光をおこなう準備がすすんでいる。0.1nmの面内分解能および0.01nmの起伏分解能を生かして、次年度にシリコンの清浄表面観察を行える見通しがついた。
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