研究概要 |
[目的]本研究では半導体レ-ザを光源とするコンパクトな電気光学サンプリングを試作することによって今後発展する毎秒10ないし100ギガビット領域の超高速エレクトロニクスの基礎を築くことを目的とする。 [半導体レ-ザによる超短パルスの発生に関する研究の成果]前年度には半導体レ-ザの利得スイッチング動作および光ファイバによるパルス圧縮について検討し,10ピコ秒以下のパルス発生の条件の存圧を確認したが,本年度は特に利得スイッチング半導体レ-ザ発振器と半導体レ-ザ増幅器の組合わせによるパルスエネルギ-の増大とパルス波形の改良の両立を図った。レ-ザ増幅器の非線形増幅特性を利用することによってパルスの裾引きを抑圧できること,特に反射波型増幅器(RWA)がこの目的に好適であることを見出した。 [光サンプリング装置への光増幅器の導入に関する研究の成果]半導体レ-ザのみを光源とするコンパクトな電気光学サンプリング装置を試作し,その特性を評価することによって問題点と将来性を明らかにすることに努めた。モ-ドロックレ-ザを光源とする従来の装置に比し,繰り返し周波数を任意に選ぶことが出来,相互同期の面で圧倒的に有利となる反面,パルス幅およびパルスエネルギ-の面で劣っていたが,光ファィバ圧縮によって時間分解能を11ピコ秒迄再現性よく実現し,また進行波形(TWA)半導体レ-ザの導入によって信号エネルギ-の増大をはかった。増幅器からの過剰雑音はS/N比に対し悪影響を与えるが、偏光測定における位相バイアス兵を最適に選ぶことによって増幅器雑音の影響を極小化できることを理論的,実験的に示し,最小検出電圧感度にして6dBの改善を実現した。これらのほか,将来のサンプリング計測の基礎としてフェムト秒域の各種サンプリング測定を検討した。
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