研究課題
試験研究(B)
高精度の位置標定を行うためには、検出特性が明らかで高感度かつ点接触型のAEセンサ-の開発が必要となる。本研では、まず圧電素子の振動特性(共振特性)と圧電特性を解析し、さらに計測系における低信号伝送損失と低雑音化のための回路解析を行い、高感度・低雑音インテグレ-テッドAE変換子の開発を行った。この成果は、共同開発メ-カ-により市販品された。AE原波形解析装置として、高速デ-タ収録装置は、8bit、20MHzサンプリングで変換子からの検出波形をA/D変換し、高速デ-タ処理部では、DSPを用いた各chごとの分散処理による波形パラメ-タ抽出、およびDSPパイプライン処理による高速高精度位置標定により、パ-ソナルコンピュ-タをホストコンピュ-タとしながらでもリアルタイムでAEデ-タのグラフ表示を行いながら、同時に波形を収録するシステムを開発した。デ-タは、パ-ソナルコンピュ-タ上で後解析において雑音除去、原波形解析などが行われ、収録波形は大容量記憶装置(IGB)に転送される。その結果、デ-タ収録培度70事象/秒、最大収録事象数7000事象で、数百ミクロンオ-ダ-の三次元位置標定と割れのAE特性をリアルタイム表示し、後解析では、一事象当り一秒以下で高速原波形抽出が可能になった。この成果をもとに、共同開発メ-カ-から汎用タイプに改良した装置が今春に市販予定である。これまでの的装置を用いた解析結果にでは、環境雑音信号の除去には波形の初動パタ-ンの組合せが有効であることが分った。また、破壊機構の解析では、セラミックスの高精度位置標定結果として破壊起点の種類によりAE挙動が異なることが分かり、薄板積層合材料(CFRP)では、放射形式の応用により、初動位相の組合せから割れモ-ドの識別が可能になり、破壊進展機構の解明など新たな分野へ応用が進んでいる。
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