研究概要 |
本年度は前年度に引続き,下記の研究を行った。 1.前年度製作したMOS型固体撮像素子を用いた高速度ビデオカメラの最高速度や記録時間の改善を行った.その結果,設計最高速度は約1200万駒/秒であるが,ノイズなどのために,実用的には11×1画素で約42万駒/秒である.記録時間は約1秒である. 2.本年度は,新たに,感度がよく,ノイズに強い,CCD型固体撮像素子を用いた高速度ビデオカメラを開発した.従来CCD素子では使用領域を狭めることにより,高速化はできないといわれていたが,素子の使用領域外に画像が入らないようにする工夫をすることにより,使用領域を小さくし高速度ビデオカメラを構成することができた. 3.撮影したビデオ画像を解析するための動画像解析プログラムを作成した.これにより脳性麻痺患者の首振り運動などの動画像解析を行った.また,フ-リェ変換モアレ法/格子法のプログラムを作成した.これにより材料内の変位やひずみや速度やひずみ速度の分布を求めることができるようになった.このプログラムは,動画像解析だけでなく,物体の形状計測や干渉じまの解析にも使える. 4.製作した高速度ビデオカメラを用いて,応力波伝ぱ中の変位,ひずみ,変位速度,ひずみ速度分布の解析を行った.従来解析できなかった試料表面上のひずみ速度分布の解析ができた. 5.フ-リェ変換モアレ法/格子法の適用範囲や精度を上げるための検討を行い,画像両端の不連続部の影響による誤差,エリアシングによる誤差,画素数の影響などを調べ,その改善法を示した. 6.市販の固体撮像素子だけを使うのではなく,新たに高機能な高速度ビデオカメラ用固体撮像素子を開発する場合の検討を行った.これにより,将来開発すべき素子の基本概念設計ができた.
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