研究課題/領域番号 |
01850044
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松尾 一泰 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (30037759)
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研究分担者 |
仲津 英治 西日本旅客鉄道(株), 技術開発室, 室長
川越 茂敏 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (10044546)
青木 俊之 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (20150922)
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キーワード | 衝撃音 / 空力騒音 / 圧縮波の減衰 / ウォ-タ-シ-ト / 波動 |
研究概要 |
1.昨年度製作した衝撃的空力騒音発生装置により、衝撃的空力騒音の原因となる管内の圧縮内の伝播特性を実験的に調べた。その結果、圧縮波の減衰率は圧縮波の初期強さの増加とともに最初は減少するが、ある値で最少となり、その後増加することが明らかになった。この現象は圧縮波によって誘起される流れの境界層の層流から乱流への遷移と関連づけて説明できることがわかった。 2.ウォ-タ-シ-トを利用した衝撃的空力騒音低減装置を試作し、実験を行った。その結果、ウォ-タ-シ-トを騒音源の両側面のみに適用すると、騒音場の指向性が強く、両側面の外側では騒音がかなり低減されるが、中心軸上の騒音は逆に増加することが明らかになった。 3.騒音源からの騒音をあらゆる方向で低減させ、指向性をなくすことを目的として、騒音源となる管の出口端に消音ボックスを設けて実験を行った。その結果、ボックスの高さと長さが管の等価径程度のとき騒音レベルは最も小さくなることが明らかになった。また、ボックスの内部にバッフル板を設置すると、衝撃的空力騒音の低減に対してさらに有効であることがわかった。この理由について、ボックス内の波動を考慮して現在検討中である。 4.衝撃的空力騒音の騒音源が比較的小さい場合には、ウォ-タ-シ-トの大きさを小さくできるため、この方法は極めて有効であることがわかった。しかしパルス状の圧縮波との干渉によるウォ-タ-シ-トの微粒化、及びそれに伴う水滴粒子の飛散はかなり大きい空間に及ぶためその対策を考える必要がある。また上述の微粒化のメカニズムはよくわかっていないため、ウォ-タ-シ-トの最適設計の資料はまだ得られていない。この方向の研究及び比較的大きな騒音源に対する対策はこれからの課題である。
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