研究課題/領域番号 |
01850050
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
尾添 紘之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (10033242)
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研究分担者 |
小竹 進 東京大学, 工学部, 教授 (30013642)
藤井 哲 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (20038574)
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キーワード | 単結晶引上げ / 熱プロセス / 液晶 / 鉛直磁場 / 自然対流 / ハルトマン数 / チョクラルスキ-法 |
研究概要 |
チョクラルスキ-単結晶引き上げ精製法において製品である単結晶棒の品質やその純度、半導体としての混入物質の濃度分布等に融液の流動状態が大きく作用することが知られているが、液固相変化過程においてそれがどのような影響をなすのか明らかでない点が多いのが実情である。本研究においては単結晶製造熱プロセスの基本的特性を学問的レベルにおいて把握し、この改善を目指して種々の試験的試みを行おうとするものである。昨年度においては、チョクラルスキ-対流の常温モデルとして、シリコンオイルをアクリル円筒中に入れ、液晶粒子を混入し、流動形態の可視化と共に、温度分布のカラ-可視化を行い、チョクラルスキ-対流の流動形態の遷移機構を見いだした。また理論解析においては、軸方向外部磁場下における流動形態の磁場抑制に対する数値解析に成功し、Gr/Re^2のみならず、Ha数による流動特性の変化を明らかにした。本年度においては、これらの成果に続けて、昨年度購入した卓上型の単結晶製造装置を用いて、その伝熱特性の測定をまず試みた。ルツボ温度を設定値にもってくることが大変困難であった。そこで実験装置を改良し、予め炉内外の温度分布を測定した。このような準備作業の後、実際にルツボ内に実験材料として「すず」を充填し、溶解し、上方より種を下降させ、液面に接し、固化を試みた。しかし、液温が高すぎ、用意した種すずが溶失してしまうことが重なった。その後、種々の試行を重ね、すずの固化が出来るようになり、現在、長さ10cmのすずの固体棒を得ることが出来るようになり、ほぼ固化実験のノウハウが取得できた。また円筒三次元数値解析プログラムを完成し、横磁場下の混合対流が解けるようになり、チョクラルスキ-対流の解析と実験のめどがたった。
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