研究課題/領域番号 |
01850057
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
|
研究機関 | 仙台電波工業高等専門学校 |
研究代表者 |
服部 正行 仙台電波工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (00007022)
|
研究分担者 |
安東 至 仙台電波工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助手 (20212665)
大泉 哲哉 仙台電波工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (70152048)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1991
|
キーワード | コロナ放電 / コロナモ-タ / イオン流場 / 交流電源駆動 / オゾン / PWMチョッパサ-ボ / 有限要素法 |
研究概要 |
本研究は、軽負荷を対象とした静電コロナモ-タの実用化を当面の目的としており、以下のような実施計画に基づいて研究を進めた。(1)多電極型静電コロナモ-タの試作とその特性に及ぼす回転子材料、電極形状、電極数の影響の検討。(2)コロナモ-タの動作環境を変えた場合の特性測定。(3)コロナモ-タの特性測定法の簡素化(速度調整の自動化)。(4)コロナモ-タの交流駆動に関する実験。(5)有限要素法によるコロナモ-タの特性計算のための予備的研究(コロナ放電現象のシミュレ-ション)。その結果、以下のような成果を得た。 (1)36放電電極を有する試作機を製作し、アクリル、ナイロン、ポリプロピレン、テフロンの各回転子を用いて特性測定を行った。その結果、効率のみではなく、価格や、耐久性等の点からアクリル製が実用的という結果が得られた。放電電極としてはオゾンに対して防錆効果のあるステンレス製が望ましく、先端がナイフエッジ状でできるだけ薄い方が高出力となることがわかった。また、火花放電電圧とのかねあいで、電極数に関しては最大出力を発生する最適な値の存在することも明確となった。 (2)動作環境としての空気圧に関しては、圧力の高い方が発生トルクが大きく効果も良く、火花電圧も高いという結果が得られた。一方、空気圧が低いと、窒素中と同様コロナ開始電圧が下がる利点はあるが、効率や火花電圧も低下し、実用的でないことが判明した。 (3)(2)の速度調整の自動化として、トルク測定用の小型モ-タの速度起電力をブリッジにより検出するPWMチョッパサ-ボ方式を採用した。また、この方式をオゾン濃度測定の際の速度自動調整に用い、大幅な測定時間の節約が可能となることを確認した。 (4)交流電源駆動実験としては、商用三相交流をネオントランスにより昇圧し、高圧三相交流電源として採用し、12放電電極を三相4電極結線としたものに給電した。また、入力電力測定用として、乗算器を用いたパワ-メ-タを製作した。コロナモ-タは交流電源で十分動作することが確認された。 (5)コロナ放電現象の有限要素解析に関しては、軸対称円筒電極に対して、C言語による定常状態用のプログラムを完成させ、3種類の太さの放電電極ワイヤ-を用いた実験とシミュレ-ション結果を比較したところ、両者はよく一致することなどを確認した。なお、過渡現象の取り扱いへの拡張は今後の課題である。
|