研究課題/領域番号 |
01850061
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
冬木 隆 京都大学, 工学部, 講師 (10165459)
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研究分担者 |
安達 伸雄 (株)オーク製作所, 管球製造部, 部長
吉本 昌広 京都大学, 工学部, 助手 (20210776)
松波 弘之 京都大学, 工学部, 教授 (50026035)
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キーワード | 非晶質シリコン / 光化学反応 / 極紫外光 / 赤外吸収分光法 / 水素結合構造 / 活性種 |
研究概要 |
本研究は極紫外域の高エネルギ-光子により原料ガスを励起分解し、生成された活性種を利用して化学反応を誘起、促進させ、熱や光照射等により物性が劣化しない安定な構造を持つ高品位の非晶質シリコン系薄膜を形成することを目的とする。 本年度においては、まずクリプトン、キセノン等希ガスの低圧マイクロ波放電による大口径高輝度極紫外光光源の開発に成功した。極紫外光を用いて原料ガスであるジシランを効率よく分解し、安定構造非晶質シリコン薄膜の形成に成功した。この形成膜の特性は従来のグロ-放電分解法により得られる膜に比べて格段に良好であり、熱、光照射等による劣化が少ない。形成した非晶質シリコン膜の原子結合構造を赤外吸収法、水素噴出法により詳細に評価したところ、全水素量が少ないと同時に、弱い原子間結合力の原因となる多重に水素結合したシリコン原子が少なく、それが、熱や光照射による劣化の少ない要因となっていることが確かめられた。暗時あるいは光照射時の導電率を調べたところ電気的に活性な欠陥準位の少ない高品位な電子的特性を有する膜が再現性良く得られていることがわかった。現在、堆積機構と物性との関連を解明中であるが、極紫外光により原料ガスが直接分解され、生成された中性の活性種が膜堆積に寄与しているものと考えられる。極紫外光強度を増加させると膜質が劣化することなく堆積速度が増加する。今後、光源の高輝度化を進め、原料ガス流量の増加、層流化など堆積条件を改善することにより当初目的である実用的な大面積均一膜の高速堆積は十分可能であると考えられる。
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