研究課題/領域番号 |
01850062
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉野 勝美 大阪大学, 工学部, 教授 (70029205)
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研究分担者 |
小野田 光宜 姫路工業大学, 電気工学科, 助手 (80128785)
大沢 利幸 リコー株式会社, 中央研究所, 研究員
尾崎 雅則 大阪大学, 工学部, 助手 (50204186)
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キーワード | 絶縁体ー金属転移 / 光記録 / 導電性高分子 / ポリチオフェン / ポリ(3ーアルキルチオフェン) / ポリパラフェニレンビニレン |
研究概要 |
可逆絶縁体ー金属転移とその光記録への応用に関連する基本特性とそのメカニズムをまず把握するため、各種導電性高分子を作製し実験を行い下記の成果を得た。 (1)ポリ(3ーアルキルチオフェン)を触媒法及び電解重合法により作製し、その絶縁体ー金属転移によるスペクトル変化を設べた結果、赤ー青間で変わる事、金属状態の安定性はアルキル鎖長に依存する事、特にポリ(3ーメチルチオフェン)、ポリ(3ーエチルチオフェン)、ポリ(3ーブチルチオフェン)等比較的アルキル鎖の短いものが安定である事を明らかにした。 (2)上記安定性のアルキル鎖長依存性はポリ(3ーアルキルチオフェン)の電子状態、特に価電子帯の上端のエネルギ-のアルキル鎖依存性に由来している事を明らかにした。 (3)ポリ(3ーアルキルチオフェン)を記録膜とした場合の記録密度をあげる上で、高次構造の制御が極めて重要である事を明らかにした。 (4)ポリ(3ーアルキルチオフェン)と複合化する光感応物質を検討し、その例としてトリフェニルヨ-ドニウムヘキサフルオロボレ-トを用い具体的な複合化法を検討した。 (5)ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリパラジェトキシフェニレンビニレン(C_2H_5OーPPV)等を前駆体を熱処理する法でフィルムとして作製し、その絶縁体ー金属転移特性を調べた。前者が黄ー青間で変化するのに対し、後者は赤ー青間で変化する。ESRの結果等とあわせて考えるとポ-ラロン、バイポ-ラロンモデルで説明できる。 (6)ポリ(3ーアルキルチオフェン)等の光に対する安定性を調べた。 以上の研究成果から可逆絶縁体ー金属転移の機構と、望ましい材料及びその作製法、解決すべき課題が明らかとなり、研究は予定通り進んだ。
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