研究課題/領域番号 |
01850064
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
宮里 達郎 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (90029900)
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研究分担者 |
古川 昌司 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (30199426)
斗内 政吉 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (40207593)
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キーワード | 微粒子シリコン / 極限微粒子 / 水素プラズマスペッタリング法 / 歪結晶 / 新物性 / 粒径1nm / 二次電子効果 |
研究概要 |
超微粒子シリコンからの発光が報告されているが、超微粒子シリコン薄膜の作製技術は未だ確立されておらず、その物性もまったく不明である。そこで本研究では、作製条件の制御性向上による良質超微粒子シリコン水素合金結晶薄膜の作製を試みるとともに、その物性を明らかにすることを目標とした。得られた結果は次のとうりである。まず、基板温度を室温近傍に設定することより、粒径約1nmの局限微粒子シリコン水素合金薄膜の成長に成功した。これは、研究に先だち、結晶成長の基板材料依存性を調べたところ、その材料により微粒子成長状態が著しく変化することを見いだし、基板をノンド-プシリコン単結晶とすることにより、その極限状態の実現が可能となった。この成長機構を解明するため種々条件下での実験を行った。その結果、成長中の水素プラズマ状態と基板への二次電子入射が極め手となっていることを見いだした。次に、得られた薄膜の物性評価を行った。結晶の微粒子化により、結晶が膨張し、歪が大きくなるが、それらの変化は一様ではなく、歪が粒界に集中している可能性を示唆する結果が得られた。このことより、極限微粒子状態では、結晶全休が歪んでおり、その歪シリコンの集団で薄膜が構成されていると考えられる。通常の微粒子状態ではこのような歪集団は実現されず、また他の方法を用いても不可能であったことから、新しい物性場としての極限微粒子シリコンを提供することが可能となった。以上のことから、作製技術の改善により超微粒子シリコン水素合金結晶薄膜の作製の再現性が向上し、一部新しい物性を明らかとできたことにより、本年度の研究目標は達成された。
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