研究課題/領域番号 |
01850073
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
広瀬 啓吉 東京大学, 工学部, 助教授 (50111472)
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研究分担者 |
山口 幹雄 住友電気工業(株), 研究開発本部, 研究員
森川 博由 東京大学, 工学部, 助手 (40011217)
藤崎 博也 東京大学, 工学部, 教授 (80010776)
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キーワード | 漢字かなまじり文章 / アナウンス文音声 / 音声規則合成システム / タ-ミナル・アナログ型音声合成器 / ホルマント周波数軌跡 / 蓄積パタ-ン / DSP / ワ-クステ-ション |
研究概要 |
本研究は、漢字かなまじり文章を入力として自然な発話のアナウンス文音声を出力する音声規則合成システムを、小型ワ-ク・ステ-ションとディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)を用いたコンパクトなシステムとして実現し、実用化の検討を行うことを目的とするもので、本年度は前年度の成果をふまえ、以下の実績をあげた。 (1)前年度提案したタ-ミナル・アナログ型音声合成器のための音節蓄積パタ-ンを各音節について作成し、ワ-ク・ステ-ションのハ-ド・ディスク装置に格納した。従来詳細な分析結果が得られていなかった鼻子音・鼻音化母音については、AーbーS分析法に基づく詳細な極・零分析を行い、高品質合成のための蓄積パタ-ンを用意した。 (2)連続音声のホルマント周波数軌跡を音素程度の時間的に狭い範囲に分布する目標関数の線形結合で表すこととし、自然音声について目標関数を求めたところ、それがほぼ音素に対応する位置に得られることを明らかにした。さらに、ホルマント周波数軌跡を高精度に制御・合成する手法を開発し、その有効性を合成音声の聴取により確認した。 (3)単音記号に対応する蓄積パタ-ンをハ-ド・ディスクから呼び出して接続し、連続音声の特徴パラメ-タ時系列を生成するプログラムを作成した。なお、母音型音声の接続には上記(2)の成果を取り入れた。 (4)音響パラメ-タ時系列を入力として合成音声を出力するモジュ-ル型の小型タ-ミナル・アナログ型音声合成器を、DSP、メモリIC、制御用IC、DA変換用IC等で構成した。 (5)上記(4)をワ-クステ-ションに組み込み、漢字かなまじり交章からアナウンス文音声を出力するシステムを作成した。天気概況文章、ニュ-ス文章等を用いて音声を合成し、システムの有効性を確認した。 以上、交付申請書に記載された研究計画はほぼ予定通りに達成した。
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