研究概要 |
1.本方式の周波数変換部を「発振周波数変換型トランスジュ-サ」と称することとした。本研究を通じて、本トランスジュ-サ-は光測距のみならず多方面に利用し得ることが明らかとなった。 2.まず、本研究の主題である光測距法の具体化、実用化を図るため、プロトタイプを実験室的に作成し、その精度を定める要因と測定可能距離について実験的に考察した。その結果、精度はおよそ10^<-4>に達し得ることを明らかにした。この限界は発振器の発振周波数のゆらぎによるものであるが、測定前の発振周波数(fo)と測定時のそれ(fo+△f)(△f:距離に依存する周波数シフト量)との比1+△f/fo,したがって△f/foなる量を、くり返し取ることによって精度の向上はさらに向上する可能性があることを明らかにした。また測定距離はレ-ザ光の空間的コヒ-レンシイによるが、実際には光学系の精度に大きく依存することが明らかとなった。これらの成果をもとにより実用的な装置を目指して現在装置の設計を行っている。 3.本研究をさらに発展せしめる研究を行った。前述のごとく、本研究は発振変調型トランスジュ-サの一応用であること、これに光応用を導入して、無電源センサシステムが可能であるとの発想を得た。一例として東北電力株式会社の協力を得て雪積計を作成し実験してみた。この結果は良好であり、十分実用し得るものであった。この成果は本研究の基本原理が多くの有用なセンサシステムに利用できることを近距離測距法のみならず他への応用の可能性を実証したもので大きい収穫であった。 4.今後、本測距法の実用化と本原理を用いた新しい周波数変換型センサ・トランスジュ-サの開発へ向けて研究を推進する予定である。
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