研究課題
試験研究
本研究の目的は、CT手法を電磁誘導現象に適用することにより、各種磁気記録装置や電気機器等の作り出す磁界分布を、空間の任意断面において断層像の形で映像化するシステムを開発することである。本年度は、(1)開発システムの仕様決定のための基礎実験と検討(2)開発システムの製作(3)開発システムによる試行実験を行った。具体的な開発を経緯を以下に述べる。〔1〕既存の平行移動型簡易実験システムを改良し、基礎的デ-タの収集を行った。そして本手法により得られた再構成画像を、従来からの磁界測定装置であるガスウメ-タによる測定値と比較した結果、十分な定量性が得られていることを確認した。また、十分な数の投慶デ-タにより再構成された画像は、デ-タ収集に用いたラインセンサの太さ(0.5mm)とほぼ同等の解像度が得られることも確認した。(4月ー6月)〔2〕上記結果を踏まえて、本研究で開発する高速磁界映像化システムに要求する性能および仕様を決定した。このシステムでは、永久磁石や、比較的大きめの磁気デバイスから漏れてくる磁界分布の映像化を目指すものとし、磁界再構成領域を直径10cm程度に設定した。(7月)〔3〕上記の設計に基づき、全投影デ-タの収集から画像再構成まで数十秒から数分で行うこのできる回転型高速デ-タ収集システムのハ-ドウエアおよびソフトウエアを製作した。(8月ー12月)〔4〕開発したシステムを用いて永久磁石の作り出す磁界分布の測定を試みた。(1月ー2月)以上にの述べたように、本年度は、開発システムの製作が終了したところであり、来年度は本年度開発のシステムに改良を加えた上で、各種の被検体に適用し、実用的見地から有効性を確認してゆく予定である。
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