研究課題/領域番号 |
01850094
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 幸雄 大阪大学, 溶接工学研究所, 教授 (30029037)
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研究分担者 |
岡田 博雄 大阪府立大学, 工学部, 教授 (90081398)
豊貞 雅宏 九州大学, 工学部, 教授 (30188817)
矢尾 哲也 広島大学, 工学部, 教授 (20029284)
中長 啓治 大阪大学, 溶接工学研究所, 助手 (10112070)
村川 英一 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (60166270)
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キーワード | 座屈許容設計 / 構造信頼性 / 最終強度 / 理想化矩形板要素 / 溶接変形 / 溶接残留応力 / かどまきすみ肉 / 疲労強度 |
研究概要 |
高張力鋼を適用した場合の溶接変形・残留応力を研究しその特性を明確にすると共に、それらの推定法を提案した。特にこれらの発生源である固有歪については、影響因子が極めて少なく、それによる推定法は極めて一般性に富んでいることを明らかにした。TMCP鋼においては、溶接による軟化部が生じるため、座屈、最終強度に対する影響についても理論的に究明し、溶接の位置、周辺条件などによる影響の程度も明確にした。高張力鋼溶接継手の疲労強度は、非常に重要な問題の一つである。特に、最も危険なかどまきすみ肉溶接部については、その形状の複雑さから不明なところも多い。これに対して最も信頼性の高い仮定をおきながら、疲労強度照査の合理的な方法を具体的に提案した。 高張力鋼を適用する方法の一つは、多少の局部座屈を許容する設計をすることである。高張力鋼および軟鋼に対する座屈許容設計論を展開し、局部座屈の許容による疲労強度の照査も並行して実施し、この設計法の可能性と特徴、更に具体的な設計用チャ-トも作成した。 船体構造の安全性を評価するためには、局部座屈、塑性化などの損傷の発生後に到達する最終強度を推定する必要がある。そのための改良理想化矩形板要素を開発すると共に、塑性関節法を用いて、矩形板の座屈、塑性挙動を解析できる高効率な理論解析法を新しく開発した。これによると、有限要素法による計算時間の1/100程度で計算できることを示した。また、船体中央断面における最大曲げモ-メントの高精度な計算法を提案した。船体の寸法、外力等には多くの不確定要因がある。これを考慮して構造信頼性評価法を提案した。
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