研究課題/領域番号 |
01850097
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小瀬 邦治 広島大学, 工学部, 教授 (40034409)
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研究分担者 |
岩崎 寛希 大島商船高等専門学校, 商船学科, 講師 (70149970)
野村 士平 弓削商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (00044157)
平田 法隆 広島大学, 工学部, 助手 (80181163)
平尾 三郎 広島大学, 工学部, 助手 (70181138)
加藤 隆 広島大学, 工学部, 助教授 (90093012)
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キーワード | 船舶操縦性 / 操縦性基準 / 人間の制御限界 / 操船シミュレ-タ / 操船シミュレ-タ / 保針性能 / 変針性能 / パイロット操船 |
研究概要 |
本年度の研究においては、既設の操船シミュレ-タを整備して、保針変針その他実際に近い操船局面のシミュレ-ションが可能になるようにした。それを利用して、以下の検討を行った。 (1)保針時における針路不安定の許容限界について検討し、操舵員による位相補償量が限界を決めるという従来の結論を再確認した。また、この結論を減速中の保針にも適用できることを確かめた。 (2)変針については、その難易を表現する指標をいくつか検討し、当て舵適用時の方位のずれが定針方位に及ぼす影響を表わす指標(ΔP0/ΔP1)が適当であることを確かめた。減速中の変針シミュレ-ションも実施し、上記を確認した。 (3)日本パイロット協会の全面的な支援をえて、入港着機と狭水域通過操船のシミュレ-ションを実施した。その結果、狭水路通過操船において、パイロットの操船能力の限界が把握しやすいことがわかり、この操船について系統的な調査を実施した。針路不安定が大きくなると、当て舵の効きが悪くなるので、最大舵角の適用頻度が顕著に増し、操船余裕が失なわれる。そして、船を水路センタ-ライン上に保つことが困難になり、蛇航を伴いつつ、しかも、シミュレ-ションによって、まちまちの航跡で通過する結果を得た。こうした事例から、2万トン級の船で不安定ル-プ巾が7.5度位が限界となることが判明した。 このように、本年度のシミュレ-ションスタディは操縦性能基準を確立する為の基本の把握に重要な一歩を与えたと総括でき、この線に沿って、次年度の研究の推進が望まれる。
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