研究分担者 |
野竹 正義 三菱総合研究所, 数理工学部, 室長
鈴木 英男 小野測器, 音響技術研究所, 部長
浜田 政則 東海大学, 海洋学部, 教授 (30164916)
迫田 恵三 東海大学, 海洋学部, 講師 (50056230)
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研究概要 |
本最終年度は,欠陥の定量的非破壊評価のための一試案を提示するために,次のように研究を進めた. 1.知識ベ-スの構築と推論機構の構成 (1)波動論を基礎とした理論解析的な散乱波形のシミュレ-ション(時間域,周波数域) (2)理論解析波形と実験波形の対応の取り方に関する検討 (3)実験的検証を経た理論解析に基づく散乱波形の知識ベ-ス化 (4)時間域及び周波数域散乱波形特性を抽出し得るニュ-ラルネットワ-ク構成の検討 2.実用化に向けた欠陥評価機能の検討 (1)上記1.(3)で構築した知識ベ-スに基づくニュ-ラルネットワ-クの学習 (2)実験による散乱波形を学習後のネットワ-クに入力した場合の欠陥推論機構のパフォ-マンスチェック (3)実験誤差を含む波形を入力した場合のネットワ-クのパフォ-マンスチェック 上記過程による知識ベ-スの開発とこの知識ベ-スをもとにしたニュ-ラルネットワ-クによる欠陥評価法について基本的検討を実行した結果,(1)実験との照合を経た理論的知識ベ-スの有用性,(2)この知識ベ-スを活用したニュ-ラルネットワ-ク欠陥評価手法の有用性が確認された.ただし,上記過程は単一欠陥を有する一つの構造部材モデルに対してのみ,本研究で提案した解析的・実験的欠陥評価手法の有用性を,主にその知識ベ-ス構築過程について示したものであり,現実の多種多様な欠陥及び構造部材に対処するためには,さらなる理論的・実験的研究が必要と思われる.
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