研究課題
鉄筋コンクリ-ト部材に引張力が作用した場合、コンクリ-トにひびわれが発生した引張力は中の鉄筋で受持たれるようになる。これが極低温下においては、コンクリ-トは強く、もろくなるので、ひびわれの発生は急激に起こり、鉄筋に発生する引張力も衝撃的に起こる。極低温下においては鉄筋は衝撃に弱くなるので、この衝撃的な引張力によって鉄筋が破断することがある。すなわち、極低温下においては、コンクリ-トのひびわれ発生の衝撃によって中の鉄筋が破断することがあり、それは特に鉄筋の冷間曲げ加工した場所で起こりやすい。本研究は、鉄筋コンクリ-ト部材中の鉄筋に発生する衝撃的引張力の歪速度と大きさとを測定し、そのような力が鉄筋に作用した時の鉄筋の耐力を調べた。研究によると、鉄筋コンクリ-トの鉄筋比や温度によって異なるが、一般的に言えば、極低温下で使用される鉄筋は、それらの種類(成分や作り方)によって、曲げ加工する時の加工度の許容値が大幅に異なることがわかった。したがって、実際に構造物を作る場合には、使用する各鉄筋に対してそのような特性を調べ、使用環境に応じた許容曲げ加工度を定めなければならない。少なくとも-150℃程度以下に冷却されるような場合には常温の時と同程度に加工することは危険である。
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