研究課題/領域番号 |
01850108
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
長瀧 重義 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016320)
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研究分担者 |
福手 勤 運輸枝, 港湾技術研究所・構造部・材料研究室, 室長
鎌田 敏郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (10224651)
大即 信明 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40211106)
大門 正機 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016579)
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キーワード | 暴露試験 / 室内促進試験 / 塩化物イオン / 電気化学的測定 / 鋼材腐食 / 酸素量 / 環境条件評価法 |
研究概要 |
昨年度開始した東京湾での暴露試験あるいは室内促進試験の継続を行い、所定の材令(暴露では6ヶ月、1年、促進では6ヶ月)においてモルタルの塩化物イオン量、鉄筋の電気化学的測定および錆重量の測定を行った。電気化学的測定として、自然電位、分極曲線および定電位流測定を行った。これらより以下の結論が得られた。 (1)東京湾周辺の暴露実験において鋼材腐食に関する地域差は、飛沫部に現れた。地域差を生じさせる要因として、風域の広さ及び防波堤の有無等の構造物の立地条件やかえり波の有無による構造形式が挙げられる。 (2)海中、干満、飛沫、陸上部において、海中、干満部は飛沫、陸上部と比較して早期に腐食傾向を示すが、1年間の暴露試験では飛沫部の腐食量が海中、干満部よりも多かった。これは鋼材腐食が、塩化物イオンが鋼材位置に到達した後の酸素量に依存するためである。 (3)各種試験において、乾湿繰り返し、塩水噴霧試験は塩化物浸透、鋼材腐食に対して非常に過酷であった。特に塩水噴霧試験は、高温かつ塩化物イオン及び酸素の供給が豊富であるため、他の試験と比較して環境条件が特に厳しい。 (4)標準モルタル供試体を用いた屋外暴露試験の結果と同様の供試体を用いた促進試験の結果を用いることにより、その暴露地域の構造物の耐用年数を推定するという新しい環境条件評価法が提案でき、それと同時に促進試験の工学的意味が明瞭になった。
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