研究概要 |
供試体のサイズが3軸せん断試験の結果に及ぼす影響について解析的に検討するため,供試体サイズをパラメ-タとしたパラメトリックスタディ-を行った。その結果,解析的には供試体サイズの違いがせん断特性に工学的に有意な影響を及ぼさないことが確認された。また,供試体端面と載荷板との摩擦を除去することにより,供試体が均一にせん断されることが確認された。 ミニ3軸圧縮試験機および中圧ミニ3軸圧縮試験機の試作を行った。ミニ3軸圧縮試験機は主として沖積粘土を,中圧ミニ3軸圧縮試験機は大深度洪積粘土を試験対象にしている。本試験機の特徴は使用する供試体のサイズが通常用いられているサイズと異なり,φ22.6mm×h45mmと小さいことである。 供試体のサイズが3軸せん断試験の結果に及ぼす影響について実験的に検討するため,φ50mm×h120mm,φ〓5mm×h80mmおよびφ22.6mm×h45mmの3つの種類の供試体を用い,等方圧密非排水3軸圧縮試験を行った。その結果,実験的にも供試体サイズの違いによるせん断特性の有意な違いは確認されなかった。 平成元年度において,ミニ3軸圧縮試験機を使用し,不撹乱沖積粘土および上部洪積粘土を対象とした一連のせん断試験を行った。その結果,同一の粘土層であっても試料の採取位置が異なればその力学特性は明らかに異り,また,同一地点においても採取深度が異なれば,その力学特性は大幅に異なる可能性が確認された。 平成2年度において,中圧ミニ3軸圧縮試験機を使用し,大深度洪積粘土を対象とした一連のせん断試験を行った。また,本試験結果を用い,粘土の弾粘塑性構成式のパラメ-タの決定を試みた。
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