研究課題/領域番号 |
01850116
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
後藤 恵之輔 長崎大学, 工学部, 教授 (00037954)
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研究分担者 |
風間 秀彦 埼玉大学, 工学部, 助手 (40008868)
山上 拓男 徳島大学, 工学部, 教授 (90035642)
瀬戸島 政博 国際航業(株), 調査解析部, 課長
棚橋 由彦 長崎大学, 工学部, 助教授 (80039685)
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キーワード | 地すべり / 危険度評価 / 発生予測 / リモ-トセンシング / 数量化理論 / 植物活性 / 現地観測 / 地すべり粘土 |
研究概要 |
過去に地すべりが発生した長野市と佐世保市を対象として,本手法の確立を試みるとともに、研究途中で発生した松浦市の地すべりについて追跡調査を行った。 長野市については、1985年7月発生の地附山地すべりを取り上げ、当該地を含む地域の危険度評価を行った後、危険度が高く表れた地附山の一部について植物活性の経時変化を調査した。佐世保市については、地附山の翌年(1986年)7月に発生した上小舟地すべりを取り上げ、同様の調査解析を行った。いずれにおいても、危険度評価は数量化理論第III類により、アイテムとして地形、地質、土地利用の各情報の他に、地中情報をもたらしてくれる植物活性を用いた。人工衛星デ-タは、両地すべりともランドサットのMSSデ-タである。 危険度評価の結果では、危険度が高ランクの地点と実際に地すべりが発生した地点とが一致し、また植物活性の経時変化では、地すべりが発生する以前にその前兆が活性の低下として表われていた。これらの結果は本手法の妥当性を意味するもので、「衛星デ-タ利用による地すべり発生地点の予測法」が確立されたといってよい。 本研究を遂行中の昨年(1990年)7月に、松浦市石倉岳木場地区で大規模地すべりが発生したため、本手法のうち植物活性の追跡を過去に逆上って行った。その結果によれば、滑落崖相当地点で活性の低下があっており、地すべりの足元に相当する地点では逆に活性の上昇があっていた。これらはそれぞれ地盤の不安定化、地下水位の上昇を意味し、前兆現象として促えられたものである。なお、人工衛星デ-タには、ランドサットのTMデ-タを用いた。 2年間の研究から、課題とした地すべりの危険度評価と発生予測法は、試行の段階から実用の段階に入り、実際に適用されてよいといえる。
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