研究課題/領域番号 |
01850136
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡辺 俊行 九州大学, 工学部, 教授 (60038106)
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研究分担者 |
龍 有二 九州大学, 工学部, 助手 (20191695)
林 徹夫 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (40150502)
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キーワード | 多孔質材料 / 伝熱特性値 / 同定 / 熱・水分同時移動現象 / 風洞装置 / 自動計測システム |
研究概要 |
本研究は、人口気候実験室内に模擬太陽光源をもつ風洞装置を設置して湿り材料内部の含水条件、材料表面の気流および放射条件を制御することにより任意の外界気象に応じた伝熱現象を再現し、非定常状態における複数の伝熱特性値を同時に且つ迅速に計測するシステムの開発を行うものである。本年度は、測定装置および計測システムの設計・製作、風洞実験による湿り材料表面の熱・水分伝達に関する検討、湿り材料内部の熱・水分同時移動現象に関する基礎研究を行った。具体的な研究成果は以下の通りである。 1.模擬太陽光源を持つ風洞装置の製作を完了し、試料面の放射量分布および風洞内風速分布を測定した。風洞装置を設置した人工気候実験室の温湿度制御特性についても明らかにした。 2.風洞装置を用いて、水平試料下面を加熱した場合や、試料表面を放射加熱した場合、飽水化した試料からの水分蒸発を考慮した場合など、伝熱現象の違いが対流熱伝達に及ぼす影響や、熱・水分伝達連成現象下における対流熱伝達と物質伝達の関係について検討し、自然対流と強制対流の共存対流熱伝達および共存対流物質伝達を近似する新たな整理式を提示した。この整理式は試料表面熱収支の解析プログラム作成に有用である。 3.湿り材料内部の熱と水分の同時移動現象を解析するための手法として熱・水分同時移動方程式を取り上げ、解析に必要な各種物性値を測定した。さらに、風洞装置による乾燥実験結果と熱・水分同時移動方程式を用いた計算結果の照合を行った。なお、湿り材料には硅酸カルシウムゾノトライト板を用いた。 4.熱・水分同時移動方程式を用いた数値計算により、外界気象条件下における建築外壁の熱と水分の同時移動について解析した。
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