研究課題/領域番号 |
01850145
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
早稲田 嘉夫 東北大学, 選鉱製錬研究所, 教授 (00006058)
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研究分担者 |
太田 弘道 茨城大学, 工学部, 助手 (70168946)
杉山 和正 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助手 (40196762)
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キーワード | レ-ザ-フラッシュ法 / 熱拡散率測定 / 薄膜物質 / 赤外線検出器 / ステンレス薄帯 / 空間感度分布 |
研究概要 |
レ-ザ-フラッシュ法による熱拡散率測定は、測定時間が数msecと短いこと、試料が小さくてすむこと、デ-タ解析も簡便で得られる物性値の信頼製も比較的高いことなどの利点があるが、薄帯状試料への適用は、まだ十分確立されていない。本研究はこの研究上の支障を解決することを目指し、『レ-ザ-光の光路にスリットを入れ、ライン状にしたビ-ムを試料表面に照射、レ-ザ-ビ-ムの中心からの距離がXの位置におけるt時間後の温度応答を赤外線検出器により非接触で計測する』、新しい原理に基づく装置を試作した。ただし、赤外線検出器は、素子自体が面積を持つため、ある一点の温度ではなく、ある面積を持った領域の温度を測定することになる。すなわち、検出器は空間的に感度の分布を持つので、この感度分布を実験的に簡便でかつ精度良く決定する手段も開発した。また、厚さdの物質のレ-ザ-照射面の裏面における温度応答について、レ-ザ-ビ-ムのパルス幅をあらわに考慮した理論的解を応用して、薄膜の熱拡散率を求める方法もあわせて検討した。これらの試作装置ならびにデ-タ解析方法を用いて白金(厚さ25μm)、銅(厚さ18μm)について面方向の測定を、SUS304(厚さ50μm)について厚さ方向の測定を実施し、測定法ならびに装置ちの有効性を確認した。また、ニッケル(厚さ130μm)を用いて同一試料における2方向の測定も試みた。なお、試作機における測定のサンプリング速度は1点あたり1μsecでおこなっており、レ-ザ-発光時にノイズは発生していない。また、ビ-ムパワ-の測定は、測定素子としてPINフォトダイオ-ド(回路に組入れた状態で応答時間が0.06μsec程度)を用い、パワ-の時間変化を正確に求めることができる様、特別に工夫した。
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